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【経済】NYの視点:政府機関閉鎖長期化が米国経済の成長でさらなる痛手に


米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は「典型的な政府機関閉鎖は短期で解消し、景気に与える影響は限定的だが、長期化した場合は成長に響く」と警告した。16四半期ぶりに収益がアナリスト予想を下回った昨年第4四半期決算を発表したJPモルガンの最高経営責任者(CEO)のダイモン氏は米国経済に関し、強気の見方を示しているが、もし、政府機関閉鎖が継続した場合、米国の成長を相殺し、ゼロ成長に落ち込む可能性を警告した。航空大手デルタのCEOは、政府機関閉鎖による今月のコストは2500万ドル(27億円相当)に達するとの見通しを示した。

トランプ政権は、一部政府機関閉鎖が経済に与えるコストは、80万人の連邦職員が休職となるため当初国内総生産(GDP)で隔週で0.1%の成長削減見通しをたてていた。しかし、そのほか、民間受託業者が失職するほか、政府機関閉鎖の機能が停止することを考慮することで、各週で0.1%の成長が削減されると、コストが当初の見通しの2倍になると修正した。

もし、政府機関の閉鎖が今月いっぱい継続することになると、GDPの成長を0.5%ポイント削減することになると、政府高官は明らかにしている。すでに見込まれているリスク、世界経済の弱さや米中貿易問題、減税の効果が薄れることに政府機関閉鎖の長期化が加わると、成長減速をさらに加速させる可能性も出てきた。

一部のエコノミストは、もし、政府機関閉鎖が第1四半期いっぱい継続した場合、金融危機以降続いている第1四半期のGDP成長ペースが年を通じて最低になる傾向を考慮すると、第1四半期のGDPがマイナス成長に陥る可能性をも警告している。

米連邦公開市場委員会(FOMC)も当面利上げを見送る可能性が出てきた。超タカ派として知られ、2019年のFOMC投票権を有するジョージ米カンザスシティー連銀総裁はタカ派姿勢を大幅に転換し、金利正常化の休止を示唆した。カプラン米ダラス連銀総裁は雇用統計は良好だが、遅行指標であることを指摘している。

《CS》

 提供:フィスコ

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