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【市況】10日の米国市場ダイジェスト:NYダウ122ドル高、小売企業の年末商戦やパウエル議長の発言が重しに

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

■NY株式:NYダウ122ドル高、小売企業の年末商戦やパウエル議長の発言が重しに

米国株式相場は上昇。ダウ平均は122.80ドル高の24001.92、ナスダックは28.99ポイント高の6986.07で取引を終了した。主要小売企業が、相次いで年末商戦の低調さを背景に業績見通しの下方修正を発表したことで、売りが先行。パウエルFRB議長が連銀のバランスシートを縮小する金融政策(量的引締め)を維持していることに言及したことも嫌気されたが、引けにかけて下げ幅を縮小し上昇に転じた。セクター別では、資本財や不動産が上昇する一方で耐久消費財・アパレルや小売が下落した。

百貨店のメーシーズ(M)は、通期の利益見通しを引き下げ急落。書店のバーンズ・アンド・ノーブル(BKS)も利益見通しの下方修正を示唆し大幅下落。百貨店のコールズ(KSS)は、年末商戦の売上高が低調となり下落した。一方で、短文投稿サイトのツイッター(TWTR)や航空機メーカーのボーイング(BA)は、一部アナリストによる投資判断引き上げを受け、上昇した。家庭用品小売のベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)は決算が予想を上回り大きく上昇。

航空大手のアメリカン航空(AAL)が、2018年度の利益の予想未達を示唆しており、航空株の決算発表には注意が必要だ。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:米長期債利回り上昇でドル買い強まる

10日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円92銭から108円52銭まで上昇し、108円43銭で引けた。米週次新規失業保険申請件数は減少し、4週間ぶり低水準を記録した。労働市場のひっ迫が再確認され、米債利回り上昇に伴うドル買いが優勢となった。その後、パウエルFRB議長がインタビューで、「政策決定において辛抱強く、柔軟性を持って対応する」との方針を繰り返し、株高に連れたリスク選好の円売りも強まった。

ユーロ・ドルは、1.1545ドルから1.1485ドルまで下落し、1.1500ドルで引けた。ユーロ・円は、124円36銭まで下落後、124円79銭まで反発した。ポンド・ドルは、1.2781ドルから1.2740ドルまで下落した。ドル・スイスは、0.9769フランから0.9849フランまで上昇した。


■NY原油:続伸で52.59ドル、株高を意識した買いが入る

NY原油先物2月限は続伸(NYMEX原油2月限終値:52.59 ↑0.23)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は前日比+0.23ドルの52.59ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて一時52.78ドルまで買われた。欧米株高を意識した買いが入った。ただ、世界経済の減速に対する警戒感は払拭されていないため、原油需要が大幅に増加しない場合、需給悪化によって原油価格は反落するとの見方は残されている。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 25.73ドル -0.03ドル(-0.12%)
モルガン・スタンレー(MS) 41.66ドル -0.08ドル(-0.19%)
ゴールドマン・サックス(GS)176.00ドル -0.47ドル(-0.27%)
インテル(INTC) 48.56ドル +0.55ドル(+1.15%)
アップル(AAPL) 153.80ドル +0.49ドル(+0.32%)
アルファベット(GOOG) 1070.33ドル -4.33ドル(-0.40%)
フェイスブック(FB) 144.20ドル -0.03ドル(-0.02%)
キャタピラー(CAT) 132.96ドル +2.69ドル(+2.06%)
アルコア(AA) 28.98ドル -0.12ドル(-0.41%)
ウォルマート(WMT) 94.96ドル +0.07ドル(+0.07%)
スプリント(S) 6.28ドル +0.02ドル(+0.32%)

《SF》

 提供:フィスコ

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