【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):フイルコン、アルテック、エスプール
フイルコン <日足> 「株探」多機能チャートより
日本フイルコン<5942>が一時ストップ高。同社は製紙用網で国内断トツのシェアを誇るトップメーカーだが、9日取引終了後に発表した19年11月期の連結業績予想は、売上高が268億5000万円(前期比0.8%減)、営業利益は12億円(同11.5%減)、最終利益は8億5000万円(同7.4%減)を見込むなど低調だった。ただ、株価は昨年12月に前倒しで大幅な調整を入れており、目先は売り物が枯れていた。同日に発行済み株式数2.73%に相当する60万株、3億6000万円を上限とする自社株買いを発表したことで、これによる1株当たり株式価値の向上と需給改善効果に期待する買いを誘導した。
■キャンバス <4575> 545円 +64 円 (+13.3%) 一時ストップ高 本日終値
キャンバス<4575>は後場急伸。前引け後に、同社が膵臓がんおよび直腸大腸がん治療薬として開発を進めているCBP501のフェーズ1b試験拡大相において、最初の被験者への投与を開始したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の治験は、CBP501・シスプラチン・抗PD-1免疫チェックポイント阻害抗体ニボルマブ(商品名オプジーボ)の3剤併用による、オープンラベル・非無作為化・非対照試験で、組み入れ症例数は膵臓がん・直腸大腸がん各10例の計20例を予定しているという。なお、19年6月期業績への直接の影響はないとしている。
■京進 <4735> 1,297円 +126 円 (+10.8%) 本日終値
京進<4735>は大幅高で4連騰。同社の上場来高値は昨年12月19日につけた1379円だが、そこを意識する局面に入った。京都、滋賀などを地盤に私立の中・高入試対策を軸に学習塾を展開、個別指導の充実もあって生徒数拡大が続いている。きょう19年5月期第2四半期決算発表を控えており、好決算を先取りする買いが優勢となった。きょうは東京個別指導学院<4745>が、前日に発表した19年2月期第3四半期決算が好調だったことで大きく買われており、その連想も働いた。また、京進は日本最大規模の外国人向け日本語学校である京進ランゲージアカデミーを運営していることでも知られ、昨年12月には日本語学校を運営するダイナミック・ビジネス・カレッジ(東京都荒川区)を完全子会社化するなど業容拡大に向け一段と積極的に取り組んでいる。安倍政権が推し進める技能を伴う外国人就労者の受け入れ拡大政策を背景に収益環境に吹く追い風は強い。
■アルテック <9972> 251円 +21 円 (+9.1%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
アルテック <9972> が高い。9日大引け後、18年11月期の連結経常利益を従来予想の5億円→7億円に40.0%上方修正。従来の23.5%減益予想から一転して7.0%増益見通しとなったことが買い材料視された。商社事業でコスト管理を徹底したことに加え、プリフォーム事業における工場稼働率の向上も寄与し、採算が大きく改善した。なお、猛暑の影響で飲料用プリフォームが好調だったものの、商社事業で大型機械の検収時期ずれがマイナス要因となり、売上高は従来予想を据え置いた。
■エスプール <2471> 1,646円 +135 円 (+8.9%) 本日終値
エスプール <2471> [JQ]が大幅反発。9日大引け後、18年11月期の連結経常利益を従来予想の8億円→10億円に25.6%上方修正。増益率が16.7%増→46.6%増に拡大し、従来の3期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。人手不足が続くなか、コールセーター業務を中心にグループ型派遣が拡大したことが寄与。障害者雇用を希望する企業に対し農園を貸し出す「障がい者雇用支援サービス」で新規受注が計画を大きく上回ったことも収益を押し上げた。
■ZUU <4387> 6,330円 +430 円 (+7.3%) 本日終値
ZUU<4387>が大幅に4日続伸。同社はきょう、クラウドポート(東京都渋谷区)が運営する融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)比較サイト「クラウドポート」を17日付で事業譲受すると発表。今後の展開などが期待されているようだ。同社は「クラウドポート」を「ZUU funding」としてリニューアルし、ユーザーにとって中立性の高い情報提供やサービスの拡充に取り組む計画。まずは、自社運営する金融メディア「ZUU online」上に、クラウドファンディングにおける第1号案件としてクラウドポート社の「Brand Channel(ブランドチャンネル)」を開設し、クラウドポート社が運営する「CROWDPORT NEWS」との連携を開始するとしている。
■santec <6777> 860円 +47 円 (+5.8%) 一時ストップ高 本日終値
santec<6777>が一時ストップ高まで買われた。同社は9日、高分解能な次世代OCT(光干渉断層計)を実現する高速波長走査型レーザの受注を2月2日から開始すると発表。この製品は、医療・産業応用で利用できる高い信頼性を実現しており、自動運転などで注目を集めているセンシング技術「Lidar」への応用も可能。異なる要求仕様(観察深さ、分解能)の測定系も、ひとつの光源で対応することができ、自由度の高い計測装置が実現できるとしている。
■AFC-HD <2927> 710円 +23 円 (+3.4%) 本日終値
AFC-HDアムスライフサイエンス <2927> [JQ]が大幅高。9日大引け後に発表した19年8月期第1四半期(9-11月)の連結経常利益が前年同期比35.8%増の3.5億円に拡大して着地したことが買い材料視された。主力のOEM(受託製造)部門で青汁や粉末茶が好調を維持したほか、乳酸菌関連商材の販売も伸びた。シンガポールやベトナム、韓国からの受注が伸びた海外部門も収益拡大に貢献した。上期計画の5億円に対する進捗率は70.6%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。
■コックス <9876> 151円 +3 円 (+2.0%) 本日終値
コックス<9876>はしっかり。9日の取引終了後、19年2月期の連結業績予想について、売上高を207億5000万円から193億円(前期比3.8%減)へ、営業損益を2億円の黒字から13億8000万円の赤字(前期4億1400万円の赤字)へ、最終損益を1000万円の黒字から16億9000万円の赤字(同7億1600万円の赤字)へ下方修正したが、織り込み済みとの見方が強い。年度を通じた不安定な気候変化や自然災害の影響で売上高が計画を下回ったことに加えて、それにより過剰となった商品在庫の値下げ販売で売上総利益率が悪化したことが要因としている。
■アマナ <2402> 717円 +14 円 (+2.0%) 本日終値
アマナ<2402>が高い。同社は9日、日本マイクロソフトが提供する統合ソリューション「Office365」のパワーポイントから、グループ会社のアマナイメージズが持つ画像コンテンツを直接検索、利用できるアドイン機能の提供を開始すると発表。同社では2019年中に導入企業100社を目指し、幅広いビジネスシーンで安心かつ高品質、効率的な資料作成をサポートするとしている。
●ストップ高銘柄
ブライトパス・バイオ <4594> 351円 +80 円 (+29.5%) ストップ高 本日終値
AmidAH <7671> 2,500円 +500 円 (+25.0%) ストップ高 本日終値
デュアルタップ <3469> 650円 +100 円 (+18.2%) ストップ高 本日終値
プリントネット <7805> 1,098円 +165 円 (+17.7%) ストップ高 本日終値
ユビAI <3858> 776円 +100 円 (+14.8%) ストップ高 本日終値
など、7銘柄
●ストップ安銘柄
エスクロAJ <6093> 272円 -80 円 (-22.7%) ストップ安 本日終値
以上、1銘柄
株探ニュース