【特集】ワンダーCo. Research Memo(3):エンタテイメント関連の5事業を展開
ワンダコーポ <日足> 「株探」多機能チャートより
■事業概要
1.事業内容
ワンダーコーポレーション<3344>は、同社と子会社4社で構成されている。同社グループは5事業を展開しているが、同社がWonderGOO事業、WonderREX事業、新星堂事業を行い、子会社の(株)VidawayがTSUTAYA事業を展開している。その他の子会社は、携帯電話を販売している(株)ワンダーネット、Tポイント加盟店獲得を業務とする(株)Tポイントパートナーズつくばである。2018年2月期の事業別売上高構成比はWonderGOO事業52.0%、WonderREX事業10.7%、TSUTAYA事業21.1%、新星堂事業15.5%、その他の事業0.7%となった。同社は各事業を通じて、CD・DVDやゲームソフトなどエンタテイメント商材、書籍、携帯電話、化粧品、文房具などを販売、レンタルサービスも提供している。販売形態は直営店286店舗、FC店10店舗及びeコマース(楽天市場、amazon、Yahoo!)である。
祖業の総合エンタテイメント店
2. WonderGOO事業
WonderGOO事業では、関東を中心に総合エンタテイメント店68店舗(うちFC店8店舗/2019年3月期第2四半期末)を展開、地盤の茨城県には30店舗を有している。同事業では、ゲームソフト、CD・DVD、書籍、携帯電話、化粧品、文房具などの小売販売及びCD・DVDのレンタルサービス、また、商品の一部についてはFCへの卸売も行っている。WonderGOO業態は祖業と言ってよく、平均売場面積500坪の広い売場では総合エンタテイメント以外の新規の業態やカテゴリーを実験的に展開している。
WonderGOOは、大型の店舗だが、業界環境の悪化から書籍やCD・DVDなどの売上げが落ちて業容の縮小が続いているため、不採算になった店舗は閉鎖かWonderREXへの業態転換を進めている。また、近年の業績悪化で既存店への投資が思うに任せなかったが、採算の取れる店舗はエンタテイメント商材の売場を縮小し、立地するエリアのニーズに合わせてHEART BREAD ANTIQUE(ベーカリー)やファミリーマート、TSUTAYA(レンタルのみ)など様々な商材・テナント・業態を展開し、更なる収益強化を図っている。そうしたなかで今般のRIZAPグループとの提携は、RIZAPグループの様々な子会社と提携しやすくなるという点で同社にとって大きなメリットがあり、すでにオリジナル雑貨が得意なHAPiNS<7577>やジーンズカジュアルのジーンズメイト<7448>のFCになり計5店をインストアに出店、運営している。
また、RIZAPグループのWonderGOO内への出店も実験的に進められている。WonderGOO千葉ニュータウン店では総売場面積700坪のうち115坪をRIZAPに転貸、WonderGOO越谷店では総売場面積600坪のうち75坪をRIZAP GOLFに転貸した。既存売場を縮小して空いたスペースをRIZAPに転貸する格好で、今後導入効果を精査した上で、WonderGOO業態の収益改善策の1つとして出店を増やしていくことも検討している。今のところ、改装後の営業利益は転貸収益を含んで改装前の1.3倍になっているもようである。やや郊外と言えるWonderGOOの立地で、都会的なRIZAPが集客できるかがカギと言えるだろう。
将来の主力と期待
3. WonderREX事業
WonderREX事業では、ブランド・貴金属からAV家電、衣料品、生活雑貨まで特定の商材に限定せず、生活全般にかかわる幅広い商品の買取販売を行う総合リユースを行っている。WonderREX店は関東を中心に26店舗(内FC店2店舗/2019年3月期第2四半期末)を展開している。他のリユース店と差別化するため、大型店での総合的な仕入れと目利きを重視している(もちろんマニュアル価格もある)。このため1店当たり売上高は330百万円程度と、同業他店に比べて大きくなっている。同社では将来の主力業態と見込んでおり、不採算のWonderGOO店からの業態転換を進めているが、店舗数が少ないのは、開店の際の他店からの在庫の調達、その後の十分な仕入れが見込める立地の選定、目利きなどの人材がボトルネックとなるためで、なかなか出店ペースを加速できないのが難点である。このため、カテゴリーを絞った小型店を都心部へ向けて出店することも検討している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《HN》
提供:フィスコ