【市況】前場に注目すべき3つのポイント~一先ず米中貿易摩擦の激化は回避
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
3日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:一先ず米中貿易摩擦の激化は回避
■前場の注目材料:はてな、1Q営業利益227%増、進捗率は44.9%に
■日産自、「フォーミュラE」参戦、“技術の日産”本領発揮、EV「リーフ」で性能磨く
■一先ず米中貿易摩擦の激化は回避
3日の日本株市場は、堅調な相場展開が見込まれる。注目されていた米中首脳会談については、米国が中国への追加関税を90日間猶予すると決めた。90日以内に合意できなければ、米国は2千億ドル分の中国製品の関税率を10%から25%に引き上げる。関税撤廃など完全解決には至らないが、一先ず交渉決裂による貿易戦争の激化は回避した格好となった。ある程度想定されていた結果ではあるが、市場は落ち着きをみせてこよう。
また、11月30日の米国市場ではNYダウが199ドル高と反発し、終値ベースで11月9日以来の25500ドルを回復している。セクター別では、半導体・半導体製造装置が上昇しており、これも安心感につながりそうだ。円相場は1ドル113円70銭台と、やや円安に推移している。もっとも、日本主導での上昇は期待しづらく、買い一巡後はグローベックスの米株先物や中国・上海市場の動向を睨みながらの相場展開になりそうだ。これらが強い反応をみせてくることになれば、日本株市場についても一段高が期待されることになろう。
また、今週の米国ではISM製造業景況指数やADP雇用報告、雇用統計といった重要な経済指標の発表が予定されている。指標内容によっては利上げ観測につながる可能性はあるものの、12月18-19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での25ベーシスの利上げは織り込まれており、一方で、来年の利上げ回数予測の引き下げに動く可能性があるため、良好な指標内容はストレートに好感されよう。不安定な値動きが続いている原油相場については、6日に石油輸出国機構(OPEC)総会が予定されており、協調減産で価格安定が期待されている。また、国内需給面では、中間配当の再投資が今週いっぱいは続くため、下支え要因になりそうだ。
とはいえ、来週には先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えているため、大きくポジションを取りに行く動きは考えづらいところ。メジャーSQ通過後は一気にクリスマスムードとなり、海外機関投資家の売買は見込めないだろう。そのため、ここにきてボトムからの出直り基調にあるマザーズ銘柄など、中小型株への物色が強まることが考えられる。ソフトバンク<9434>の仮条件(1500円)が決定し、換金売り等も意識されそうだが、大きく調整をみせていた直近IPO銘柄や材料性のある中小型株には、年末高を意識した資金が流入しやすいだろう。
■はてな、1Q営業利益227%増、進捗率は44.9%に
はてな<3930>は30日、第1四半期決算を発表。売上高は前年同期比39.3%増の6.62億円、営業利益が同227.0%増の1.59億円だった。通期計画(3.54億円)に対する進捗率は44.9%となる。会員数の順調な増加に伴い、はてなブログの有料プラン「はてなブログPro」等の課金売上が好調に推移。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(22351.06、+88.46)
・NYダウは上昇(25538.46、+199.62)
・ナスダック総合指数は上昇(7330.54、57.45)
・1ドル113円70-80銭
・SOX指数は上昇(1239.60、+18.17)
・VIX指数は低下(18.07、-0.72)
・シカゴ日経225先物は上昇(22420、大阪比+70)
・米長期金利は低下
・日銀のETF購入
・好調な企業業績
・補正予算への期待
・日産自<7201>「フォーミュラE」参戦、“技術の日産”本領発揮、EV「リーフ」で性能磨く
・JUKI<6440>プリント基板外観検査、3D高速モデル投入
・堀場製<6856>液中ナノ粒子測定、濃度管理向け
・RPAHD<6572>中小管理部門向け「事務ロボ」提供
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 7-9月期法人企業統計調査・全産業設備投資(前年比予想:+8.5%、4-6月期:+12.8%)
<海外>
・10:45 中・11月財新製造業PMI(予想:50.1、10月:50.1)
《SF》
提供:フィスコ