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【特集】DDHD Research Memo(5):高収益ブランドの出店拡大が同社成長をけん引。3つのM&Aを実現し新成長期へ

DDHD <日足> 「株探」多機能チャートより

■決算動向

1. 過去の業績推移
過去の業績を振り返ると、店舗数の拡大がDDホールディングス<3073>の成長をけん引してきた。特にM&Aによる規模拡大が出店ペースに拍車をかけてきたと言える。2013年2月期からの3期間において売上高の伸びが鈍化しているのは、不採算店舗の閉店やブランドマネジメント制導入に伴うブランドの集約及び統合により、店舗数が頭打ちとなったことが要因である。ただし、2014年2月期でブランド集約及び統合が一巡したことから、2015年2月期より再び高収益ブランドを軸とした出店拡大を図っている。また、2018年2月期は、3つのM&A(ゼットン及び商業藝術の連結化やエスエルディーの持分法適用関係会社化)を実現し、スケールメリットの追求や業態の多様化等にも取り組んでおり、同社は新たな成長期に入ったと見られる。

利益面では、2010年2月期に過去最高の営業利益を達成し、営業利益率も6.9%の水準にあったものの、その後は既存店の伸び悩みや業態変更に伴う費用増などにより低下傾向となった。ただ、2015年2月からの高収益ブランドの出店拡大等により、足元の利益率水準は回復傾向にあると言える。

財務面では、財務基盤の安定性を示す自己資本比率はおおむね20%台で推移してきた。有利子負債残高も高い水準にあり、積極的な事業拡大を図るためには、財務基盤の増強は今後の課題として挙げられる。キャッシュ・フローの状況も、2012年2月期から2014年2月期までは営業キャッシュ・フローが投資キャッシュ・フローを上回る状況が続いていたが、積極的な新規出店を再開した2015年2月期以降は投資キャッシュ・フローが大きくなり、有利子負債残高の増加に結び付いてきた。また、2017年2月期以降の投資キャッシュ・フローの拡大は、ゼットン及び商業藝術、エスエルディーの3つのM&Aに加え、周辺事業の拡充によるものである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《RF》

 提供:フィスコ

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