【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):コーテクHD、ソフトバンク、SUMCO
ソフトバンク <日足> 「株探」多機能チャートより
28日、コーエーテクモホールディングス <3635> が発行済み株式数(自社株を除く)の0.65%にあたる82万株(金額で16億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は11月29日から19年2月28日まで。
■ソフトバンクグループ <9984> 9,518円 +283 円 (+3.1%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が商いを膨らませ4日続伸。全体リスクオン相場に乗っている。先物に空売り筋のショートカバーが入り、裁定買いを通じて現物株市場にも浮揚力が働いており、日経平均寄与度の高い同社株にもその影響が反映されている。12月19日には通信子会社ソフトバンク<9434>が東証に上場、それに先立ち株価の底入れを読んだ個人投資家の買いなどが活発化している。
■ADEKA <4401> 1,786円 +52 円 (+3.0%) 本日終値
ADEKA<4401>は5日続伸。株価は21日に1651円の安値で二番底をつけて、反転上昇軌道を鮮明にしている。株価指標面では、PER11倍台、PBR0.9倍台と割安水準にある。同社は14日、19年3月期通期の連結業績予想について、売上高を2590億円から2980億円(前期比24.4%増)へ、経常利益を232億円から260億円(同16.4%増)へ、純利益を159億円から164億円(同6.9%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を22円から24円へ増額した。9月28日付で持ち分法適用会社だった日本農薬<4997>を連結子会社化したことが売上高・利益を押し上げる見通し。また、液晶ディスプレイの高精細化や好調な半導体市場の需要を捉えて、光学フィルムやフォトレジスト向けに光硬化樹脂、光開始剤の販売が好調なことなども寄与している。
■FRONTEO <2158> 894円 +26 円 (+3.0%) 本日終値
FRONTEO<2158>が大幅高。同社はきょう、三井情報(東京都港区)と販売店契約を結んだと発表。三井情報はFRONTEOが独自開発した人工知能エンジン「KIBIT(キビット)」を金融機関などに販売するとしており、ユーザーの拡大などが期待されているようだ。「KIBIT」は、テキスト解析においてキーワードだけに頼らず、専門家や勘の優れた人が備える“暗黙知”を再現した独自の機械学習のアルゴリズムを用いた人工知能。高い自然言語処理技術を持ち、短い時間と少量の教師データで解析できる。
■FFRI <3692> 3,950円 +110 円 (+2.9%) 本日終値
FFRI<3692>が大幅続伸。ここサイバーセキュリティー関連株が人気化の流れに乗り上値指向を強めていたが、きょうは一段と上昇スピードを加速させている。28日取引終了後、NTTコミュニケーションズと高度セキュリティー人材を育成する新会社を設立することを発表、これが株価を強く刺激する格好となった。出資比率はNTTコムが60%、同社が40%となる。サイバー攻撃への対応はシステム面だけでなく人材の育成が重要であるとの認識が強まっており、その点で今回の提携はインパクトがある。
■デジタルアーツ <2326> 6,460円 +170 円 (+2.7%) 本日終値
デジタルアーツ<2326>が続伸。10月末にマドを大きく開けて買われた後も漸次下値を切り上げる強い足をみせている。サイバー攻撃への対応が官民を問わず課題となるなか、特に標的型攻撃への対応に強みを持つセキュリティー関連企業の株価が強い動きをみせている。そのなか、同社は主力製品のバージョンアップに伴い標的型攻撃への対策も可能となり、製品競争力の向上が評価材料となっている。19年3月期業績は営業利益段階で前期比37%増の26億円見通しと好調、公共向け新規導入が収益を牽引している。
■SUMCO <3436> 1,736円 +35 円 (+2.1%) 本日終値
SUMCO<3436>は4日続伸。同社は28日の取引終了後、18年12月期の連結業績予想について、純利益を571億円から576億円(前期比2.1倍)へ上方修正した。28日付で大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>との多結晶シリコンの長期購入契約の早期終了とそれに伴う解約金100億円の支払いを発表した一方、繰延税金資産など105億円の計上を発表しており、これらを考慮したという。なお、売上高は3264億円(同25.2%増)、営業利益は852億円(同2.0倍)の従来予想を据え置いている。
■日本航空 <9201> 4,111円 +80 円 (+2.0%) 本日終値
JAL<9201>、ANAホールディングス<9202>など空運株は買いが優勢となった。ここ最近の原油市況の下落基調は資源関連株などに逆風となっているが、燃油コストが下がる空運セクターにとっては追い風材料だ。前日のWTI原油先物価格は1ドル27セントと大幅に下落し終値ベースで再び50ドル近辺まで水準を切り下げており、これが株価に追い風材料となっている。
■村田製作所 <6981> 16,890円 +175 円 (+1.1%) 本日終値
村田製作所<6981>が続伸。前日の米株市場では11月に入り大きく売り込まれていたアップルが久々の急反発、3.8%水準を切り上げており、アップルの有力サプライヤーとしてこれまでツレ安を強いられていた村田製も、目先買い安心感が浮上している。主力商品である積層セラミックコンデンサーはiPhone向け以外に電装化の進む自動車向けで高水準の需要を捉えており業績面は良好、19年3月期営業利益は前年同期比7割増の2750億円を計画している。
■長瀬産業 <8012> 1,647円 +17 円 (+1.0%) 本日終値
28日、長瀬産業 <8012> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.0%にあたる120万株(金額で19億5600万円)を上限に、11月29日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。
株探ニュース