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【特集】高橋春樹氏【不安定な地合い、ハイボラ相場の行く先を探る】(2) <相場観特集>

高橋春樹氏(三木証券 取締役 商品本部長)

―18年相場も終盤突入、強弱感対立のなか次の一手は―

 週明け22日の東京株式市場では、朝方に日経平均株価は安く始まったが、後場に入りプラス圏に浮上する展開。ボラティリティは高いもののトレンドは定まらず、下値リスクに身構えると上値追い態勢に切り返し、逆に上値期待が高まるとにわかに売り圧力が増して下落する、といったパターンが続く。気がつけば11月相場入りが目前で、2018年相場も終盤に入りつつある。年末に向けた相場とどう取り組むべきか、先読みに定評のある市場関係者にその見解を聞いた。

●「企業業績の好調さを背景に戻り試す展開に」

高橋春樹氏(三木証券 取締役 商品本部長)

 10月に入ってから日経平均は急落に見舞われているにもかかわらず、2万2200円台を堅持している点は、底堅さという点で特筆に値するのではないか。今年は年初から何度もボラティリティの高い上下動を繰り返す波乱となっている。ただ、そのなかにあって、終値ベースでは、3月23日の2万617円、7月5日の2万1546円、8月13日の2万1857円、10月15日の2万2271円と、依然として下値切り上げトレンドを堅持している。現状の水準で既に底打ちしている可能性もある。

 足もとの日経平均のEPS(1株利益)は約1730円で、アベノミクスがスタートして以降の平均的なPERを13.5倍とすると、2万3355円まで上昇する可能性は十分ある。相場の底堅さの背景には、日本企業の業績見通しの良好さがある。今週後半から本格化する7~9月期決算発表に伴って、19年3月期通期業績見通しの上方修正が相次ぐことになりそうだ。もし、EPSが1800円水準まで上昇すれば、日経平均は2万4000円台を回復する可能性もある。

 日本株にとっての懸念材料は、米株式相場の下落傾向と中国経済の先行き不安といえる。今後時間が経過するにつれて、マイナス材料が徐々に織り込まれ、日本株にとっては“悪材料出尽くし感”が強まりそうだ。米国は、11月6日の中間選挙が終了すれば株式や経済状況に落ち着きが戻る可能性がある。中国は10月から約3200億元(約5兆円)規模の個人所得減税に乗り出すなど経済対策を実施している。

 今後の物色対象としては、これまで売りのターゲットとされてきた、中国関連半導体関連といった銘柄の反転上昇局面に期待している。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(たかはし・はるき)
1977年岡山大学法文学部卒業・第一証券入社。1999年第一証券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。

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