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【市況】米国株式市場見通し:7-9月期決算発表シーズンに突入


8日(月)はコロンバスデーで、一部金融機関などが休業となるものの、株式市場は通常取引となる。先週発表された9月雇用統計は、非農業部門就業者数が予想を大きく下振れた一方で、失業率が低下し、労働市場の逼迫やハリケーンの影響を反映した内容となったが、12月の利上げ実施が有力との見方に変化はない。11日には20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開催予定であり、貿易摩擦が世界経済に与える影響を巡り、米国とその他の参加国との対立が鮮明化する恐れがある。

米中貿易摩擦問題や関税による企業業績への影響への懸念が残るなか、経済指標は概ね堅調となり、複数の連銀高官が利上げ継続を支持したことや、米国・カナダの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の合意を受けて、米長期金利(米国債10年物利回り)は約7年ぶりの水準へと上昇している。雇用統計が概ね堅調な内容となったことから、引き続き長期金利の上昇を嫌気して、株式相場は上値の重い展開が続きそうだ。

今週から始まる7-9月期決算発表シーズンを受けた企業業績に投資家の関心が集まるだろう。航空大手のデルタ航空(11日)、大手行のJPモルガンチェース(12日)、シティグループ(12日)、ウェルズ・ファーゴ(12日)などの決算発表が予定されている。ファクトセット社の調査によれば、4-6月期のS&P500構成銘柄の利益は、5日時点で前年同期比19.2%の増益が予想されているものの、6月末時点と比較すると小幅下落となる。通信を除くすべてのセクターで業績見通しの下方修正が予想されていることが要因だ。また足元の長期金利上昇が金融セクターの業績押し上げ効果につながるか、各社の業績見通しに注目が集まるだろう。

経済指標では、9月生産者物価指数(PPI)(10日)、9月消費者物価指数(11日)、9月輸入物価指数(12日)などの発表が予定されている。12日には中国の9月貿易収支も発表される。消費者物価指数は8月分が予想を下振れたものの、高水準で推移している。同指数は利上げ判断において重要な指標となるインフレ率に影響を与えるため、注目したい。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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