【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):富士通、エムスリー、博報堂DY
富士通 <日足> 「株探」多機能チャートより
富士通<6702>が反発。30日の取引終了後に自社株買いを発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回発表した自社株買いでは、上限を2200万株(発行済み株数の1.08%)、または180億円としており、取得期間は9月1日から来年3月31日まで。資本効率の向上を図り、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するためとしている。
■伊藤忠テクノ <4739> 2,460円 +38 円 (+1.6%) 本日終値
伊藤忠テクノソリューションズ<4739>が続伸。この日の午前中、米サウザンド・アイズ(カリフォルニア州)の社内外のネットワークを一元的に可視化するクラウドサービス「ThousandEyes」の提供を開始したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。「ThousandEyes」は、イントラネット上の端末からインターネット上の利用サービスまでのネットワークについて経路や障害状況を可視化するクラウドサービス。イントラネットやインターネットの通信データを自動で収集し解析することで、社員が利用する社内と社外のサービスの状況をネットワーク図やグラフなどでわかりやすく表示するのが特徴という。なお同社では、さまざまなクラウド環境を利用する大手企業やネットサービスを展開する企業を中心にサービスを提供し、3年間で3億円の販売を目指すとしている。
■エムスリー <2413> 4,895円 +70 円 (+1.5%) 本日終値
エムスリー<2413>が3日続伸。30日の取引終了後、脳血管疾患に特化した保険外リハビリ施設を運営するワイズ(東京都中央区)の株式を追加取得し子会社化すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。エムスリーはワイズ株式3万3333株(議決権所有割合5.8%)を保有しているが、新たに43万4734株を15億2100万円で取得し、議決権所有割合を81.2%とする。子会社化により、ワイズの「脳梗塞リハビリセンター」の展開を加速させるとともに、m3.com会員の医師への情報提供による認知拡大などを通じて、より多くの患者に「脳梗塞リハビリセンター」を広め、一人でも多くの人に高度なリハビリを届けるとしている。
■博報堂DY <2433> 1,875円 +25 円 (+1.4%) 本日終値
博報堂DYホールディングス<2433>は3日続伸、連日の新値追いとなった。同社は7日、19年3月期第1四半期(4~6月)連結決算を発表した。売上高は3238億7000万円(前年同期比7.5%増)、営業利益は199億3500万円(同2.5倍)、最終利益は98億3700万円(同2.2倍)となった。第1四半期の売上高を種目別にみると、4マスメディア(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)では、前年同期に好調だったテレビの反動減もあり、全ての種目で前年同期を下回った。一方、4マスメディア以外では、アウトドアメディアとその他が前年同期を下回ったものの、インターネットメディアを中心にマーケティング/プロモーションとクリエイティブが好調に推移し、4マスメディア以外取引の合計は前年同期を上回った。株価は、第1四半期の決算発表翌日の8日に1835円の高値をつけて以降、調整場面があったものの、今月下旬から徐々に切り返し年初来高値圏での推移となっている。
■ゼンリン <9474> 3,420円 +45 円 (+1.3%) 本日終値
ゼンリン<9474>が4日続伸し、新値追いとなっている。同社は30日、長野県伊那市が開始するドローン物流プロジェクトに参画すると発表。このプロジェクトは、ドローンを活用した荷物配送の仕組みを構築する「空飛ぶデリバリーサービス構築事業」と、河川上空域をドローンの目視外自律飛行ルートとし、中心市街地と中山間地域を結ぶ新たな物流の仕組みを構築する「INAドローン アクア・スカイウェイ事業」で構成。ゼンリンはこのプロジェクトで、地図情報などを提供する。
■アズビル <6845> 4,845円 +55 円 (+1.2%) 本日終値
30日、アズビル <6845> が9月30日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料視された。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。
■ペプチドリーム <4587> 4,340円 +5 円 (+0.1%) 本日終値
ペプチドリーム<4587>は9連騰。岩井コスモ証券は30日、同社株の投資判断の「A」と目標株価6000円を継続した。同社は特殊ペプチドに特化した創薬ベンチャー。18年3月期は会社利益計画を超過達成し、今期も2ケタ増益を予想するなど、足もとの業績は黒字を維持している。また、「創薬共同開発」「創薬プラットフォームであるPDPS(ペプチド・ディスカバリー・プラットフォーム・システム)の技術ライセンス供与」「戦略的提携による自社開発品拡充」の3分野で着実に成果を出していることに注目。「ベンチャーの雄としての位置づけは変わらない」としている。
■菱洋エレクトロ <8068> 1,780円 -53 円 (-2.9%) 本日終値
菱洋エレクトロ<8068>は続落。30日の取引終了後に発表した第2四半期累計(2~7月)連結決算は、売上高451億3300万円(前年同期比2.0%減)、営業利益7億9100万円(同14.7%増)、純利益6億1900万円(同7.8%増)と2ケタ営業増益だったが、24日に上期および通期予想の上方修正を発表していただけに、この日は材料出尽くし感による利益確定売りが出たようだ。携帯ショップ用端末やプリンター製品が減少したほか、半導体メーカーの政策変更によりパソコン周辺機器向け半導体が減少し売上高は減収となったが、高採算ビジネスの拡大などによる売上総利益率の伸長が利益を押し上げた。なお、19年1月期通期業績予想は、売上高930億円(前期比0.8%増)、営業利益12億円(同4.8倍)、純利益9億6000万円(同4.5倍)の修正予想値を据え置いている。
■ネクソン <3659> 1,394円 -28 円 (-2.0%) 本日終値
ネクソン<3659>が反落。中国教育省が30日、青少年保護を目的に、オンラインビデオゲームの販売数量を規制する方針を発表したことを受けて、中国や韓国向けウエートの大きい同社や、「モンスターハンター:ワールド」の販売停止のあったカプコン<9697>などに業績への影響を警戒した売りが出たようだ。
株探ニュース