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【市況】14日の香港市場概況:ハンセン0.7%安で3日続落、決算下振れの舜宇光学が24%安

上海総合 <日足> 「株探」多機能チャートより

14日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比183.64ポイント(0.66%)安の27752.93ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が22.20ポイント(0.21%)安の10744.31ポイントとそろって3日続落した。ハンセン指数は一時1.48%下落し、約10カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいる。売買代金は1024億900万香港ドルに拡大した(13日の売買代金は834億6000万香港ドル)。

中国景気の先行き不安が強まる流れ。取引時間中に公表された小売売上高や鉱工業生産額など今年7月の各種経済指標は、総じて予想を下回る結果だった。米国が中国の知的財産権侵害に対抗する制裁関税を発動するなか、ネガティブな影響が顕在化したと懸念されている。通貨安を背景に、香港・中国からの資金流出も警戒される。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、対米ドルの人民元レートを4営業日連続で元安方向に設定した。上海外国為替市場では元安が止まらず、約1年3カ月ぶりの水準で推移している。香港ドルの対米ドル相場では、許容変動幅(7.75~7.85香港ドル)下限での推移が続いた。

ハンセン指数の構成銘柄では、ハイテク関連の下げが目立つ。光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が24.1%安、小型電子部品メーカーの瑞声科技HD(2018/HK)が7.2%安、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が3.4%安で引けた。舜宇光学については、同社の中間業績が1.8%増益にとどまり、事前予想を下回ったことが売り材料視されている。同社株は約1年1カ月ぶりの安値を付けた。

食品・飲料や小売の消費関連セクターもさえない。華潤ビールHD(291/HK)が5.9%安、康師傅HD(322/HK)が3.7%安、統一企業中国HD(220/HK)が1.9%安、北京京客隆商業集団(814/HK)が1.6%安、百盛商業集団(3368/HK)が1.1%安と値を下げた。

空運セクターも売られる。中国国際航空(753/HK)が1.6%、中国東方航空(670/HK)が2.2%、中国南方航空(1055/HK)が1.0%ずつ下落した。空運各社は米ドル建て債務の比率が高いため、人民元安が逆風となっている。

他の個別株動向では、電子書籍ストアを運営する閲文集団(チャイナ・リテラチュア:772/HK)が17.0%安と急落。上場来安値を切り下げている。同社が13日引け後に公表した中間業績は138.6%増益と好調だったものの、同時に新株発行計画を明らかにしたことがマイナス材料。同社は親会社のテンセントなどから、映像製作会社の株式を取得するにあたり、現金のほか新株を割り当てる方針を示した。

半面、通信関連セクターはしっかり。通信設備の中興通訊(ZTE:763/HK)と京信通信系統HD(2342/HK)がそれぞれ4.8%高、1.9%高、通信インフラ工事の中国通信服務(552/HK)が1.5%高と上昇した。5G通信ネットワークの商用化に向けた製品の開発について、ZTEは第3段階の試験を通過したという。

一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.18%安の2780.96ポイントで取引を終えた。消費関連株とハイテク株が安い。鉄鋼株や不動産株、ゼネコン株、軍需関連株、運輸株なども下落した。


【亜州IR】

《FA》

 提供:フィスコ

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