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【経済】NYの視点:ムニューシン米財務長官、米国のドル高政策を確認


進展がない米中貿易協議にしびれを切らしたトランプ大統領は、中国への圧力をさらに強める可能性がある。最近の人民元の下落に対し、中国が人為的に操作していると非難。米国よりレバレッジが少ない中国は通貨安を米国の関税に対する報復措置の一環として利用できる。トランプ大統領は中国の輸出に有利となるような人民元のさらなる下落回避を目指し、米連邦準備制度理事会(FRB)の一段の利上げに難色を示し、さらなるドル高が競争を弱めると、ドル高けん制発言をした。

市場では、「米国がドル安政策に移行か」との思惑も再燃。しかし、G20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議のためアルゼンチン、ブエノスアイレスを訪ずれていたムニューシン米財務長官は、長期的な強いドル高政策を確認。大統領と同様に、「連邦準備制度理事会(FRB)の独立性を支持」「大統領は明確にパウエル議長を支持すると言及しており、議長の金利に関する決定を支持する」と、米国の方針を明らかにした。このため、米国政府がドル安政策に転じたとの思惑も後退。しかし、G20でも中国は、かすかに期待されていた米国との貿易協議の席につかなかった。このため、貿易摩擦への懸念が長期化することは懸念される。

米国のドル安政策の思惑が後退したほか、米国債券利回りも上昇したためドル買いが再燃した。米10年債利回りは再び3.0%を目指す展開となった。日本銀行が超緩和策を修正する必要が出てきたとの報道を受け、同時に、日本の投資家による米国債購入も減少するとの見方も浮上したようだ。さらに、今週米商務省が発表予定の4-6月期国内総生産(GDP)が一部の報道のように前期比年率5%近くの成長率を示すとドル買いに拍車をかける。

《CS》

 提供:フィスコ

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