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【経済】NYの視点:円売り持ち減:今週の注目:貿易摩擦問題、米雇用統計、FOMC議事録、ISM指数


短期投機家・投資家はポジションを手仕舞う動きが目立った。円の売り持ちポジションは前々週から減少。また、ユーロの買い持ち高も前々週から一段と減少した。

今週は、年内の米国の利上げペースを探るための鍵となる雇用統計、前回6月連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の公表に注目が集まる。全米の製造業動向を占すISM製造業指数や消費が滞る兆しが見られる中、ISM製造業にも注目。また、トランプ政権は中国製品に対する関税を6日から発動する計画であるほか、カナダも対米報復関税を発動する予定で、貿易摩擦懸念が深刻化する可能性も否めない。

FRBの金融政策や貿易問題で新興諸国市場が混乱している中、メキシコで大統領選挙が実施される。左派候補が優勢と見られており、NAFTA再交渉での合意が一段と困難になる可能性もある。一方、最有力候補がトランプ大統領と同じく、ナショナリストとして知られていることから、かえって合意が容易になるとの見方もある。

米連邦準備制度理事会(FRB)は6月12-13日に開催したFOMCで本年2回目の利上げを実施。経済の成長が順調であることやインフレが目標値に向けて上昇しているとの自信から、本年の利上げ予想を上方修正。FRBメンバーの予測で、利上げは年3回から4回に引き上げられた。FOMCがインフレ指数として注目している燃料や食品を除いた5月コアPCE価格指数は前年比+2.0%と、予想+1.9%を上回り2012年来の高水準となり、FOMCの目標値を達成した。

6月雇用統計では20万人の雇用増、失業率は1969年以来2番目に低い水準を維持すると見られている。焦点は引き続き賃金となる。しかし、ここにきて、消費が伸びず、下半期経済に悲観的見方も浮上。

1-3月期もアトランタ連銀は5%近くの成長予測を年初には示していたが結局2%の成長にとどまった。4-6月期も最大で5.3%の成長予想もある。しかし、貿易摩擦などの不透明感が消費者心理に影響。下半期の消費が鈍化し成長を抑制する可能性が出てきた。1-3月期の消費が5年ぶりの低い伸びにとどまったが、米5月個人消費支出も予想を下回った。アトランタ連銀は4-6月期GDPで3.8%を予想。従来の4.5%から大幅に引き下げており、ドルの圧迫材料となる。

■今週の主な注目イベント
●メキシコ
1日:大統領選挙

●米国
2日:6月ISM製造業景況指数:予想58.3(5月58.7)
5日:FOMC議事録(6月12-13日開催分)公表、
6月ISM非製造業総合景況指数:予想58.2(5月58.6)
6日:米雇用統計:失業率:予想3.8%(5月3.8%)、
非農業部門雇用者数:予想+19.8万人(5月+22.3万人)、
平均時給:前月比予想+0.3%(5月+0.3%)、
前年比予想+2.8%(5月+2.7%)

●地政学的リスク
北朝鮮
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン

《CS》

 提供:フィスコ

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