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【通貨】為替週間見通し:ドルは上げ渋りか、米通商政策の行方と経済指標などを見極める展開

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

【先週の概況】
■米中貿易戦争回避の思惑でドル強含み

先週のドル・円は強含み。「トランプ米大統領が、多くの中国企業による米ハイテク企業への投資を禁じる計画」と伝えられたことで、米中貿易戦争への警戒感が高まり、ドル売り・円買いが先行した。しかし、トランプ大統領は中国による対米投資制限について、対米外国投資委員会(CFIUS)の役割を強化することを選択し、強硬措置を避けたことから、米中が貿易戦争状態に陥ることは回避されるとの思惑広がり、ドル買い・円売りが優勢となった。

28日に開かれた欧州連合(EU)首脳会議で、各国が移民問題で合意したことを受けて独連立政権崩壊に対する警戒感は大幅に低下したこともドル買い・円売りを促す一因となった。29日のニューヨーク外為市場では、米国の5月コアPCE価格指数が予想外に上昇し、米連邦準備制度理事会(FRB)のインフレ目標値に達したことや、6月ミシガン大学期待インフレ率が上昇したため、追加利上げを織り込むドル買いが強まった。ドル・円は、110円61銭から110円94銭まで上昇し、110円71銭でこの週の取引を終えた。先週のドル・円の取引レンジは109円37銭から110円94銭となった。ドル・円の取引レンジ:109円37銭-110円94銭。

【今週の見通し】
■ドルは上げ渋りか、米通商政策の行方と経済指標などを見極める展開

今週のドル・円は上げ渋りか。金融市場最大の不安材料である米通商政策を巡る不透明感は払拭されていないため、ドルを積極的に買い進めることは難しい。貿易摩擦激化の影響で一部経済指標が悪化した場合、米金融政策の修正が意識されることから、ドル売りに振れる可能性はあろう。一方、ドイツ政局流動化に対する警戒感は低下したが、欧州中央銀行(ECB)による早期利上げ観測は大幅に後退しており、ユーロ買い・米ドル売りがさらに強まる可能性は低いとみられる。

米トランプ政権は中国の知的財産侵害への対抗措置として、7月6日から500億ドル相当の中国製品に対して追加関税を賦課する予定となっている。期限が迫るなか両国の対応が注目される。トランプ大統領は自国ハイテク企業への中国の投資制限について、やや態度を軟化させたが、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は「トランプ大統領は中国に対し姿勢を緩めていない」と発言している。トランプ政権の対中政策を正確に読み取ることは難しいとされており、リスク選好的なドル買いは手控えられよう。

貿易摩擦激化への懸念が残されている状況下でもドルが底堅い値動きを維持してきたのは、堅調な経済と米FRBが利上げ継続の方針を維持していることが主な要因か。ただ、1-3月期国内総生産(GDP)確定値は市場予想を下回っており、米国経済の持続的な拡大観測はやや後退した。今週公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨や6月米雇用統計の内容次第ではリスク回避のドル売りが再び広がる可能性は残されている。

【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(7月5日公表予定)
7月5日に公表される6月12-13日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、年4回の利上げシナリオの手がかりを得られるかが焦点となる。慎重な意見が目立つ内容ならドル買いはやや縮小するとみられる。

【米・6月雇用統計】(7月6日発表予定)
7月6日半発表の米6月雇用統計は、失業率3.8%、非農業部門雇用者数は前月比+19.8万人、平均時給は前年比+2.8%が市場コンセンサス。米国景気の拡大基調は続いているが、市場予想を下回った場合はリスク選好的なドル買いは後退しよう。

予想レンジ:109円00銭-112円00銭

《FA》

 提供:フィスコ

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