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【特集】<話題の焦点>=拡大するM&A市場、超大型案件の動向が株価左右

東芝 <日足> 「株探」多機能チャートより
 日本企業を巡るM&A(企業合併・買収)市場が活発化している。これは世界的な景気拡大が続くなか、今後の成長をM&Aに見出そうという動きが強まっているためだ。M&A助言のレコフによると、2017年の日本企業のM&A件数は3050件と16年に比べ15%増加し、11年ぶりに過去最多を記録した。金額ベースでは13兆3437億円と前期比21%減だった。外資系ファンドを軸とする東芝<6502>の経営再建を巡る東芝メモリの買収やソフトバンクグループ<9984>の「ビジョン・ファンド」絡みの大型案件が金額面で寄与した。

 18年1~3月は865件と前年同期比32%増、金額は同33%増の3兆9287億円だった。ソフトバンクグループの米ウーバーテクノロジーズへの資本参加や三菱商事<8058>の三菱自動車<7211>への出資拡大などが寄与する。

 ただ、富士フイルムホールディングス<4901>による米ゼロックス買収では、ゼロックスが買収合意を破棄するなど、状況は不透明な情勢にある。もっとも、5月に入り日本企業による海外企業買収、史上最高の7兆円規模にも達する武田薬品工業<4502>によるアイルランドのバイオ医薬品大手「シャイアー」の買収が合意された。超大型案件の登場で今年は高水準のM&A金額が予想される。

 シャイアーの買収を巡っては資金負担が財務体質の悪化を招くとの懸念から武田の株価は急落した。今後も、日本企業の積極的なM&Aが予想されるなか、その評価を巡り株価は左右されることも予想される。

 M&A助言のGCA<2174>や野村ホールディングス<8604>、大和証券グループ本社<8601>など大手証券会社、それに中小企業M&Aの日本M&Aセンター<2127>やM&Aキャピタルパートナーズ<6080>、ストライク<6196>などにも注目したい。

出所:みんなの株式(minkabu PRESS)

最終更新日:2018年05月17日 12時31分

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