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2018年04月14日19時30分

【特集】復活の上昇相場、春の主役テーマ「不動産流動化」特選5銘柄 <株探トップ特集>

再び日本買いの動きを見せ始めた海外マネー。不動産株には本格買いの兆候が観測されている。

―始まった海外マネー東京再上陸作戦、本格REIT買いが意味する「不動産株」動兆―

 海外マネーの東京市場上陸が始まった。東京証券取引所が12日発表した4月第1週(4月2~6日)の投資部門別売買動向によると、外国人投資家は1584億円の買い越しとなった。3月最終週は48億円とわずかな買い越しであったが、今回は本腰を入れて買いを入れてきた感触がある。また、先物も2847億円の買い越しとなっており、今年に入って初めて明確に“日本買い”の動きをみせている。

 株式市場だけではない。海外マネーはREIT(上場不動産投資信託)市場にも流れ込んでいる。東京証券取引所が11日発表した3月のREITの投資主体別売買動向では、外国人投資家は295億円の買い越しとなったが、これは今年1月から3ヵ月連続の買い越しで1~3月累計の買い越し額は950億円あまりに達した。REIT指数も年初に大きく上昇、その後いったん調整局面を挟んだが、3月中旬以降は再び下値を切り上げる動きを見せている。

 そして、今の流れはここまで音無しの構えにあった不動産株への買いが本格化する前兆とも捉えられる。

●REITへの海外資金流入は日銀人事が背景に

 日本では日銀の黒田総裁が任期切れ後に再任されたほか、副総裁に雨宮正佳氏、若田部昌澄氏の両氏で脇を固めており、当面の間はリフレ路線の継続が見込まれる状況となっている。今回の日銀人事は市場で囁かれるステルス・テーパリングの思惑をシャットアウトするもので、「外国人投資家のREIT買いは日本の低金利環境に改めて着目する動きを反映している」(準大手証券ストラテジスト)とも指摘されている。日銀の金融緩和姿勢の継続は日本経済にとって日米金利差拡大を背景としたドル高・円安というプラスの思惑につながりやすいだけでなく、内需系企業にとっても不動産など大口の資金調達を必要とするセクターにとっては、「調達コストの低下や有利子負担の軽減という面から力強い追い風となりうる」(同)ものだ。

●インバウンド効果で26年ぶりの地方圏上昇

 一方、地価の上昇傾向もポジティブ材料となっている。3月下旬に発表された18年1月1日時点の全国の公示地価(全用途平均)は3年連続で上昇した。東京圏の商業地は前年比3.7%上昇、大阪圏の商業地は同4.7%上昇といずれも5年連続で前の年を上回った。しかし、特筆に値するのは地方圏だ。地方の商業地の公示地価が0.5%と小幅ながら実に26年ぶりにプラスに転じたことが話題となった。とりわけ札幌、仙台、広島、福岡の地方主要4市は9割を超える地点で地価の値上がりが確認されている。

 この背景にあるのは訪日外国人観光客の急増。2017年の訪日外国人客数は2869万人と過去最高を記録し、前年比で約465万人の大幅増加となった。「観光立国日本」を成長戦略の中軸に据えるアベノミクスの面目躍如といってもよいが、この訪日客の急増がホテルなど宿泊施設や交通機関の需要を押し上げていることは論をまたない。これが都市再開発の需要喚起につながっているほか、訪日客によるモノやサービス消費の拡大も商業地を中心に活性化をもたらし、不動産価格上昇に反映されるというシナリオが現実化している。株式市場の観点に立てば、不動産株への見直し機運の台頭は時間の問題ともいえる状況だ。

●内需セクターの出遅れで水準訂正の余地大

 そうしたなか、業種別指数をチャートで比較すれば一目瞭然、不動産セクターは同じ内需関連の小売りセクターなどと比較して、今年に入ってからの値動きをみても出遅れ感が際立っている。それだけ水準訂正余地があり、物色対象セクターとして魅力を内包していることになる。なかでも時価総額が相対的に小さい中小型の不動産流動化関連はボラティリティの高さが意識され、今後は個人投資家資金などを中心に、マーケットの視線が熱を帯びてくることになりそうだ。

 関連銘柄としては、マンション開発を祖業とし都心中心型の物件でファンドを組成するトーセイ <8923> 、中古不動産の改装・販売やビル管理に展開するサンフロンティア不動産 <8934> 、区分所有の中古マンション投資に特化したスター・マイカ <3230> 、関西地域を中心に不動産の開発・流動化を展開するサムティ <3244> 、戸建てのリノベーション販売トップのカチタス <8919> 、土地付きストレージ(貸し収納スペース)のほか不動産再生・流動化サービスを手掛けるエリアリンク <8914> [東証M]、デザインマンション開発のほか投資家向け賃貸マンション販売も行うプロパスト <3236> [JQ]などが中期スタンスでマークされそうだ。

●ここから勝負局面を迎える有望5銘柄選出

 さらに、足もとチャートや株式需給面から、にわかに上値の可能性を示唆している物色対象として以下の5銘柄は要注目となろう。

【訪日特需で復活の鐘を鳴らすコスモスイニシア】

 コスモスイニシア <8844> [JQ]は旧リクルートコスモスでバブル期の1990年7月に6万7000円(修正後株価)の最高値をつけた実績を持つ。マンション販売などを手掛けるが、インバウンド需要を強く意識した経営戦略をとっている。長期滞在者向けアパートメントホテルにインバウンド特需が発生するなか、同社は東京、大阪、京都などに訪日客専用のホテルを続々と開業予定にあり、中期成長期待が強い。株価は1月29日に1025円の高値を形成しているが、調整一巡から改めて4ケタ大台を指向する展開が読める。PERはわずか8倍前後と割安感がある。

【AMBITIONは民泊関連として上昇加速】

 AMBITION <3300> [東証M]は不動産サブリースで東京23区を中心に展開。17年6月期の営業46%増益に続き、18年6月期は2.3倍の6億7200万円と変貌を見込んでいる。民泊分野にも積極的に布石を打っており、6月から民泊法が施行されるなかで、インバウンドに対応した同市場の拡大が追い風となる。

【プロパティAはIT戦略絡め飛翔のステージへ】

 プロパティエージェント <3464> [東証2]は投資用ワンルームマンション販売を展開するが低金利環境を背景に業績は極めて好調に推移している。不動産事業にIT戦略を取り入れ、人工知能(AI)ブロックチェーン分野に積極的に踏み込む。顧客情報をつなげるクラウドサービスを展開しており、中期的な成長期待が強い。

【急成長路線ひた走る日本エスコンも上値期待大】

 日本エスコン <8892> はマンション分譲を手掛けるが、インバウンド需要をターゲットにホテル開発や商業施設の開発に注力姿勢をみせている。商業施設開発は事業拡大に向けて京都や千葉で底地を取得、今後の展開に期待がかかる。12年12月期から18年12月期予想まで7年間の営業利益成長率は年平均で40%強と群を抜く。

【レーサムはPER6倍台で底値買いチャンス】

 レーサム <8890> [JQ]は富裕層に投資用物件を販売し、ファンド運用も手掛ける。資産運用は大型案件の収益化が進み利益高成長が続く見通し。昨年、インバウンド需要に対応する形で福岡中心部に九州最大のホステルを開設しており、業績への寄与が期待される。このほか、少子高齢化社会の到来に合わせ、高度医療クリニックを核とした開発案件なども手掛けるなどで時流に乗っている。株価は年初来安値近辺にあるが、底値鍛錬が進みPER6倍台は拾い場に。

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