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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「三角保ち合いを下放れたNY」

株式評論家 富田隆弥

◆3月期末、新年度を控え株式市場は上昇しやすいところだが、22日の日経平均株価は2万1591円と25日移動平均線(2万1697円)近辺でウロウロ。200日移動平均線(2万1297円)や二点底になった2万0900円台を下値とする値固めの動きではあるが、どうも元気がない。花冷えのせいだろうか。

為替(ドル円)は22日105.70円処だが、こちらも25日移動平均線(106.47円)を抜けずに105円台でもみ合いが続き、日足は右肩下がりのトレンドから抜け出せないでいる。

◆カギを握るNYダウ平均が三角保ち合いを煮詰めており、そこからの放れ足に注目していたが、19日に335ドル下げて「下放れ」を示唆した。翌20日は116ドル上げたものの、FOMCのあった21日は250ドル高(2万4977ドル)から44ドル安の2万4682ドルと値を消して終えた。NYダウの日足は25日移動平均線(2万4968ドル)、75日移動平均線(2万5068ドル)が上値の壁となり、結局、三角保ち合いを下放れたままである。

◆そして22日。本稿執筆現在、ザラバ段階ではあるがNYダウは一時2万4175ドルと500ドル下げている(編集部注:NYダウの22日終値は724ドル安の2万3957ドル)。FOMCのあとだけに金融政策に関するコメントが出ているほか、トランプリスク(貿易戦争懸念)も警戒されている。ただ、理由はともあれ、チャートでは下放れに伴い売りが加速したことになる。

◆こうなると、日本株も心配だ。外国人投資家の売りは止まらず、買いを強めていた個人投資家はシコリを抱えかねない。信用買い残が3兆6024億円(16日現在)と膨れている。2月の調整で評価損率が悪化したものの、配当狙いや新年度に伴うマネー流入観測から押し目買いを強めたと思われる。だが、ここで日経平均が軟化すれば、買い方は一層苦しくなり、シコリ玉をさらに増やすことになる。

◆日米とも、株価下落で需給環境は悪化しつつある。早急に回復をみせなければ「需給」はさらに悪化し、さらなる下押し要因となる。日経平均の下値の節は二点底の2万0937円台だが、もしそこを割り込むなら「二段下げ」を覚悟することになる。そして、10年にわたる上昇相場(過剰流動性相場)の反動が出る可能性も否めなくなる。

◆相場は需給が最大の要因で、流れに従うのが鉄則。ここは無理せず、日足の好転を確認するまで慎重に対応したい。

(3月22日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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