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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は底堅い展開か、クロス円の持ち直しが下支え

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い展開を予想したい。米トランプ政権による保護主義的な通商政策の継続が嫌気され、ドルは積極的に買いづらい見通し。ただ、ユーロ・円をはじめクロス円の回復がドル・円を押し上げる手がかりとなりそうだ。

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開かれている20カ国・地域財務相・中銀総裁会議(G20)では、米国の輸入制限を柱とする保護主義に批判が集中。各国が自由貿易を求めたのに対し、米国は国益最優先を主張するなど、物別れに終わったようだ。こうした国際会議を通じても貿易戦争への懸念は解消されず、今後もドルは買いづらい展開が予想され、今晩は様子見ムードが広がりやすい見通し。

一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が20-21日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)への関心が高まっている。CMEグループが算出するFedウォッチによると、市場の9割が政策金利の引き上げを見込んでいるが、今年の利上げペースに関しては3回もしくは4回と見方が分かれる。足元で発表された経済指標からはインフレの上昇は確認されているものの、個人消費の伸び悩みが指摘され、FRBの景気認識が焦点となろう。

このように積極的なドル買いにつながる材料が乏しく、本日アジア市場でドル・円は105円台に押される場面もあった。ただ、欧州中央銀行(ECB)の出口戦略への思惑が再燃、ユーロ買いを誘発し、ユーロ・円が強含んでいる。また、英国の欧州連合(EU)離脱に関連し、両者が激変緩和措置に関して合意したことが好感され、ポンド・円も反発。こうしたクロス円の持ち直しがドル・円をやや押し上げる展開が続きそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 南ア・2月消費者物価指数(前年比予想:+4.1%、1月:+4.4%)
・17:00 南ア・10-12月期経常収支(予想:-1050億ランド、7-9月期:-1090億ランド)
・18:30 英・2月消費者物価指数(前年比予想:+2.8%、1月:+3.0%)
・18:30 英・2月生産者物価指数・産出(前年比予想:+2.7%、1月:+2.8%)
・19:00 独・3月ZEW景気期待指数(予想:13.0、2月:17.8)
・24:00 ユーロ圏・3月消費者信頼感指数速報値(予想:0.0、2月:0.1)
・G20財務相・中銀総裁会議(最終日、ブエノスアイレス)
・米連邦公開市場委員会(FOMC)(21日まで)
・米イリノイ州連邦議会予備選挙

《FA》

 提供:フィスコ

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