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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~外部環境に左右され難い中小型株へ

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

22日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は大幅反落、外部環境に左右され難い中小型株へ
・ドル・円は下げ渋り、米利上げ方針維持で
・値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東エレク<8035>


■日経平均は大幅反落、外部環境に左右され難い中小型株へ

日経平均は大幅に反落。258.61円安の21712.20円(出来高概算6億8000万株)で前場の取引を終えた。注目されたFOMC議事録では、今年も利上げを継続する計画を後押ししているとの見解で一致したことが明らかになった。この影響から米国市場はいったん上げ幅を拡大したが、その後は長期金利の上昇が嫌気される格好となった。想定内の流れではあったが、日経平均はシカゴ先物清算値を下回って始まると、その後も下げ幅を広げており、一時21626.85円まで下げ幅を広げた。

セクターでは33業種全てが下げており、鉱業、鉄鋼、水産農林、海運、電力ガス、証券、ゴム製品、建設、石油石炭、陸運の弱さが目立った。東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1500を超えており、全体の7割を超えている。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>が重しに。

日経平均は寄付き段階で5日線を下回る格好となり、センチメントが悪化している。26週線も割り込んでいるため、目先底が確認しづらい状況であろう。また、FOMC議事録の内容、これを受けた米国市場の反応も想定内ではあったが、日本株市場は薄商いの中をインデックスに絡んだ売買に振らされやすく、方向感が掴みづらい面もある。その他、グローベックスではNYダウ先物が100ドル超の下落で推移していることも、売り方優位の需給状況にさせているようだ。

ただし、好業績銘柄への押し目買い意欲の強さは散見されている。全般軟調ではあるが、トレンドの強い中小型株への物色も続いており、冷静さがうかがえる。外部環境に左右され難い中小型株に資金が向かいやすいだろう。また、明日には野村日本割安低位株オープンの設定が予定されており、需給面での下支えになりそうだ。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は下げ渋り、米利上げ方針維持で

22日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り。日本株安を背景に円買いが強まったものの、米利上げ方針の維持が意識されドルは107円前半で下げ止まった。

東京株式市場で日経平均株価が前日比約300円安の軟調となり、リスク回避的な円買いに振れやすく、ドルは一時107円15銭まで弱含んだ。

ランチタイムの日経平均先物は軟調地合いとなり、目先の日本株安継続への警戒から引き続き円買いが進みやすい。また、ドルは上値の重さも意識されている。

ただ、前日公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、連邦準備制度理事会(FRB)は利上げ方針を維持しており、ドル売りは慎重になりそうだ。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は107円15銭から107円78銭、ユーロ・円は131円58銭から132円40銭、ユーロ・ドルは1.2265ドルから1.2286ドルで推移した。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・仙波糖化<2916>やミズホメディー<4595>がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東エレク<8035>


■経済指標・要人発言

・カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「FRBは辛抱強くなり、インフレ加速を許すべき」
「インフレ目標引き上げに賛同しない」
「2.5%のインフレを5年間は容認可能にするべき」

☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・12:45 20年国債入札の結果発表

<海外>
・14:15 クオールズ米FRB副議長講演(東京、国際金融シンポジウム)

《DM》

 提供:フィスコ

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