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【経済】NYの視点:円売り持ち高増:今週注目はFOMC議事録、カーニーBOE総裁証言


短期投機家・投資家の円の売り持ち高は前々週からさらに増加した。市場の円の売り持ちが過去最大付近となっていたことは、週末にかけた円高の勢いを加速させた一因と見られる。

今週は、イエレン前議長が率いる連邦公開市場委員会(FOMC)として最後となった1月30-31日会合の議事録を連邦準備制度理事会(FRB)が公表する予定。また、FRB高官らの講演も多数控えており、最近の市場の混乱やインフレが金融政策に与える影響の判断や見通しに注目が集まる。

パウエル新FRB議長のもと、FOMCが引き続き利上げ軌道を維持する公算。副議長に超タカ派として知られるメスター・クリーブランド連銀総裁の名前も挙がっており、インフレの上昇とともに利上げペースが加速する可能性も除外できない。インフレや金利の急伸への恐怖が急速に強まり、景気を抑制するとの懸念も根強い中、FOMC関係者のインフレや景気見通しに注目が集まる。

英国でも、カーニー中央銀行総裁がインフレ報告に関する議会証言を予定している。英国中央銀行は直近の会合で、予想されていたよりも速やかで大幅な利上げが必要だと言及。カーニー総裁のタカ派発言はさらなるポンド買いにつながる可能性がある。

一方、黒田日本銀行総裁の続投で、日銀が当面現行の異例な金融緩和を続行する見込みとなった。副総裁に指名された若田部氏はリフレ派で知られている。イールドカーブのコントロールに加え、現行の異例な金融緩和を維持したいとする安倍政権の強いメッセージとして受け取られているようだ。このため、本邦企業によるレパトリ絡みの円需要が一段落したあと、円安の流れが再開する可能性も残ると見る。

■今週の主な注目イベント

●米国

21日:連邦公開市場委員会(FOMC)(1月30-31日)議事録、
ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が経済見通しに関して講演
22日:クゥールズFRB理事兼金融規制担当副議長、世界経済に関する講演、
ダドリーNY連銀総裁がプエルトリコ、バージン諸島で経済状況に関しブリーフィング、
ボスティツク米アトランタ連銀総裁が質疑応答、

23日:ダドリーNY連銀総裁、ローゼングレン・ボストン連銀総裁、
バランスシートに関する討論会参加、
FRBは半年に一度の金融政策報告書を議会に提出、
クーレ欧州中央銀行(ECB)理事、メスター・クリーブランド連銀総裁が討論会参加、
ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁が米国経済見通しに関して講演

●欧州
19日:ユーロ圏財務相会合

●英国
21日:カーニー英国中央銀行総裁がインフレ報告に関する証言
22日:10-12月期GDP:予想前年比+1.5%(前全四半期+1.5%)

●地政学的リスク
北朝鮮
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン

《CS》

 提供:フィスコ

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