【市況】【投資部門別売買動向】海外勢の巨額売りで相場が急落する中、個人が果敢に買い向かう (2月第1週)
日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより
東証が16日に発表した2月第1週(5日~9日)の投資部門別売買動向によると、米株市場の急落による世界同時株安で日経平均株価が1900円近く急落したこの週は、海外投資家が5週連続で売り越した。売越額が6446億円と前週の3525億円から大幅に増加し、2016年3月2週以来およそ1年11ヵ月ぶりの大きさだった。海外投資家の売買動向を月間ベースでみると、昨年10月に2兆2325億円と大規模に買い越したが、11月以降の累積売越額は1兆9113億円に上り、10月の買い越し分をほぼ売り切った格好だ。証券会社の自己売買部門が2週連続で売り越し、売越額は前週比2倍の6630億円に拡大し、部門別売越額トップとなった。
一方、個人投資家は3週連続で買い越し、買越額は前週比2.7倍の7450億円に大きく膨らんだ。特に、個人現金は5644億円と前週の984億円から5.7倍に急拡大した。逆張り志向が強い個人投資家の本領を発揮した形だ。自社株買いが中心とみられる事業法人部門も5週連続で買い越し、買越額は1864億円と高水準だった。投資信託部門は3週連続で買い越し、買越額は1051億円だった。
海外投資家による巨額の売りで相場が急落する中、個人投資家が果敢に買い向かった格好だ。
■投資部門別売買代金差額 (2月5日~9日)
東証・名証2市場の1・2部と新興企業向け市場の合計[総合証券ベース(全52社)]
※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し
海外投資家 信託銀行 個人合計 [ 現金 信用 ] 日経平均 ( 前週比 )
2月 ―――
第1週 ▲6,446 917 7,458 [ 5,644 1,813 ] 21,382円 ( -1891 円)
1月 ―――
第5週 ▲3,525 1,787 2,733 [ 984 1,748 ] 23,274円 ( -357 円)
第4週 ▲3,560 313 1,817 [ 144 1,672 ] 23,631円 ( -176 円)
第3週 ▲2,222 505 ▲229 [ ▲624 394 ] 23,808円 ( +154 円)
第2週 ▲316 ▲121 1,774 [ 196 1,577 ] 23,653円 ( -60 円)
第1週 4,851 35 ▲5,746 [ ▲4,578 ▲1,167 ] 23,714円 ( +949 円)
12月 ―――
第4週 ▲22 ▲65 ▲1,186 [ ▲1,534 347 ] 22,764円 ( -137 円)
第3週 1,223 239 ▲3,340 [ ▲3,574 234 ] 22,902円 ( +349 円)
第2週 ▲122 991 ▲826 [ ▲1,984 1,158 ] 22,553円 ( -257 円)
第1週 ▲2,168 2,689 ▲750 [ ▲1,046 296 ] 22,811円 ( -7 円)
11月 ―――
第5週 ▲1,973 ▲304 ▲672 [ ▲1,704 1,031 ] 22,819円 ( +268 円)
第4週 ▲2,819 917 ▲433 [ ▲760 327 ] 22,550円 ( +154 円)
第3週 ▲3,211 ▲102 2,353 [ 1,342 1,011 ] 22,396円 ( -284 円)
第2週 670 117 ▲1,315 [ ▲2,766 1,450 ] 22,681円 ( +142 円)
第1週 528 ▲953 ▲1,326 [ ▲2,588 1,262 ] 22,539円 ( +530 円)
10月 ―――
第4週 6,703 ▲299 ▲5,951 [ ▲5,909 ▲41 ] 22,008円 ( +550 円)
第3週 4,452 ▲647 ▲4,955 [ ▲4,884 ▲70 ] 21,457円 ( +302 円)
第2週 4,593 ▲441 ▲3,475 [ ▲3,467 ▲8 ] 21,155円 ( +464 円)
第1週 6,575 255 ▲3,751 [ ▲3,619 ▲132 ] 20,690円 ( +334 円)
※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。
※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。
株探ニュース