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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~きょうで決算は一巡、改めて業績を評価する動きも

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

13日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:きょうで決算は一巡、改めて業績を評価する動きも
■決算チェック:キリンHDの17年12月期事業利益6.8%増、サプライズないが株主還元はポジティブ
■前場の注目材料:ノリタケ、サンプル出荷、球状チタン酸バリウム粒子、機能部品を高性能化


■きょうで決算は一巡、改めて業績を評価する動きも

15日の日本株市場は買い先行で始まろう。14日の米国市場では利上げ加速への警戒感から売りが先行したものの、原油相場の上昇や複数の主要企業決算が好感され、主要株価指数は上昇した。この流れを受けてシカゴ日経225先物清算値は大阪比315円高の21495円だった。これにサヤ寄せする格好から、インデックスに絡んで幅広い銘柄が買われそうである。

また、米国では長期金利の上昇でJPモルガンやゴールドマン・サックスなどの金融関連企業が軒並み買われたほか、半導体関連が堅調な相場展開になっており、自律反発とは言え、センチメントを明るくさせそうだ。ただし、日経平均は200日線を一時下回ったことから、いったんは自律反発が想定されやすいところである一方で、5日線に上値を抑えられる格好から上値を切り下げている。買い先行も5日線に上値を抑えられる状況が意識されてくるようだと、戻り売り圧力に押される可能性もあるだろう。

また、為替市場ではドル円が106円台で推移しており、企業業績の上振れ期待の後退につながるなか、積極的な上値追いは慎重になりやすい。ただし、決算が一巡したこともあり、機関投資家も動きやすくなるため、イレギュラー的に下げている銘柄などには、見直す動きも期待されそうだ。

なお、ボラティリティーの指数を含め指数連動のデリバティブ投資による巻き戻しへの警戒も根強く、需給整理には見極めが必要である。円相場の円高傾向も重しになるほか、200日線レベルでのもち合いが長期化するようだと、シコリが残る格好となり、52週線が意識されてくるだろう。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■キリンHDの17年12月期事業利益6.8%増、サプライズないが株主還元はポジティブ

キリンHD<2503>の17年12月期事業利益(売上収益から売上原価及び販管費を控除して算出)は前期比6.8%増の1943億円となった。同社はこの期末決算から国際財務報告基準(IFRS)に移行している。参考値の営業利益は同7.4%増の2110億円だった。日本綜合飲料事業、医薬・バイオケミカル事業が増益に寄与した。また、期末配当は従来予想の1株当たり20.50円から25.50円に増額し、年46.00円となった(前期は39.00円)。18年12月期の通期業績については、事業利益で同0.9%増の1960億円との見通しを示している。年間配当は48.00円となる見込み。同時に発行済株式総数(自己株式を除く)の5.5%に相当する5000万株、1000億円を上限として自己株式の取得を実施することも発表した。取得期間は2月15日から12月28日まで。決算内容にサプライズはないが、自社株買い実施などの株主還元姿勢を評価する声が多いようだ。


■前場の注目材料

・実質GDP、8期連続プラス
・NYダウは上昇(24893.49、+253.04)
・ナスダックは上昇(7143.62、+130.10)
・日銀、大規模な金融緩和を維持
・好業績銘柄への資金シフト
・シカゴ日経225先物(21495、+315)
・SOX指数は上昇(1307.05、+28.54)
・NY原油は上昇、(60.60、+1.41)


・SBI<8473>、仮想通貨で500億円調達、国内最大級
・東芝<6502>、当期益5200億円、通期見通し、債務超過解消


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・10:10  国債買い入れオペ(残存期間1年超5年以下と5年超10年以下)

<海外>
・特になし

《HT》

 提供:フィスコ

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