【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):資生堂、日清紡HD、太陽誘電
資生堂 <日足> 「株探」多機能チャートより
7日、資生堂 <4911> が17年12月期の連結経常利益を従来予想の640億円→805億円に25.8%上方修正。増益率が72.2%増→2.2倍に拡大し、10期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。高価格帯ブランドの販売が好調だったうえ、インバウンド需要の獲得なども寄与し、売上高は初の1兆円を突破。中高価格帯の売上増加やマーケティングのROI(投資対効果)向上による採算改善も上振れに貢献した。
■日清紡ホールディングス <3105> 1,496円 +57 円 (+4.0%) 本日終値
日清紡ホールディングス<3105>が後場一段高。前引け後に発表した第3四半期累計(17年4~12月)連結決算が、売上高3583億円(前年同期比3.4%減)、営業利益43億3600万円(前年同期13億2100万円の赤字)、純利益191億7100万円(同6.4倍)となり、営業損益が黒字転換したことが好感された。自動車メーカー向けシミュレータシステムや自動車用ITS(高度道路交通システム)製品の売り上げが増加した日本無線の赤字が縮小し、車載・産業機器向け半導体が好調だった新日本無線<6911>が増益となり、エレクトロニクス事業の採算が改善したほか、欧州子会社の買収に伴うのれん代償却がなくなったことが寄与した。なお、18年3月期通期業績予想は、売上高5200億円(前期比1.4%減)、営業利益150億円(同3.1倍)、純利益200億円(同5.6倍)の従来見通しを据え置いている。
■太陽誘電 <6976> 1,788円 +46 円 (+2.6%) 本日終値
太陽誘電<6976>は続伸。同社は7日取引終了後、18年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を2420億円から2430億円(前期比5.3%増)へ、営業利益を170億円から190億円(同53.4%増)へ、最終利益を120億円から140億円(同2.6倍)へそれぞれ増額した。同社では、スマートフォンなど通信機器の高機能・高性能化が進むことや、自動車・産業機器の電子化が進展していることにより、積層セラミックコンデンサーの需要が高い水準で推移する見込みとしている。あわせて発表した第3四半期累計の連結決算は、売上高1842億3300万円(前年同期比6.4%増)、営業利益157億6000万円(同64.4%増)、最終利益126億8000万円(同2.5倍)だった。
■スズキ <7269> 6,107円 +83 円 (+1.4%) 本日終値
スズキ<7269>が5日ぶり反発。今週の全体相場波乱に巻き込まれ、26週移動平均線を下回る場面もあったが、足もとはバランスを取り戻している。高成長が続くインドで自動車販売が好調、17年4~12月期の最終利益は前期比23%増の1643億2200万円と大幅な伸びを示し同期間の過去最高を更新した。日本の大手自動車メーカー各社は米国を主戦場としているが、需要は頭打ち状況にあり、一方で同社が積極展開するインドは今後の市場拡大余地が大きい点が注目されている。立花証券では6日付で同社株の投資判断を「強気」でフォローしている。
■パイオラックス <5988> 3,060円 +25 円 (+0.8%) 本日終値
自動車向けの精密ばねなどを製造するパイオラックス<5988>は小幅続伸。同社は8日午後1時、18年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を632億円から670億円(前期比4.2%増)へ、営業利益を95億円から100億円(同3.7%減)へ、最終利益を69億円から74億円(同7.5%減)へそれぞれ増額した。売上高については、主に中国向けが堅調に推移し、当初計画に比べて増加が想定される。また、利益面では、売上増に伴う限界利益の増加とグローバルに進めている合理化活動の推進効果が見込まれるため、通期の業績予想を上方修正している。あわせて発表した第3四半期累計の連結決算は、売上高506億1300万円(前年同期比6.6%増)、営業利益80億500万円(同3.9%増)、最終利益63億4500万円(同4.9%増)だった。
■住友商事 <8053> 1,808.5円 +6 円 (+0.3%) 本日終値
住友商事<8053>が高い。午後1時30分ごろ、18年3月期の連結業績予想について、純利益を2800億円から3000億円(前期比75.6%増)へ上方修正し、期末配当予想を28円から32円へ引き上げたことが好感された。北米鋼管事業の収益が改善していることや資源価格が上昇している影響に加えて、リース事業や建機販売および建機レンタル事業、メディア・生活関連の国内主要事業会社や不動産事業などのコアビジネスが堅調に推移。また、大型EPC案件の建設進捗による利益貢献があり、第3四半期まで業績が順調に推移し、第4 四半期も総じてこのトレンドが継続すると見込まれることが要因としている。なお、同時に発表した第3四半期累計(17年4~12月)連結決算は売上高3兆4785億3000万円(前年同期比21.8%増)、純利益2528億8500万円(同2.3倍)だった。
■タカラトミー <7867> 1,224円 -282 円 (-18.7%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
7日に決算を発表。「10-12月期(3Q)経常は21%減益」が嫌気された。
タカラトミー <7867> が2月7日大引け後(15:00)に決算を発表。18年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比28.0%増の134億円に伸び、通期計画の115億円に対する進捗率が117.4%とすでに上回ったが、前年同期の134.8%を下回った。
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■東洋エンジニアリング <6330> 994円 -229 円 (-18.7%) 本日終値 東証1部 下落率2位
東洋エンジニアリング<6330>が急落。7日の取引終了後、18年3月期の連結業績予想について、売上高を3700億円から3500億円(前期比19.0%減)へ、営業損益を65億円の黒字から180億円の赤字(前期20億900万円の赤字)へ、最終損益を20億円の黒字から180億円の赤字(同14億7200万円の黒字)へ下方修正したことが嫌気された。米国向けエチレン製造設備プロジェクトにおける工事コストの大幅増加と工事進捗率の低下が要因としている。また、業績予想の修正に伴い、従来15円を予定してた期末一括配当を無配にすると発表しており、これも嫌気された。なお、前期実績は2円だった。
■サンデンHD <6444> 1,912円 -328 円 (-14.6%) 本日終値 東証1部 下落率5位
7日に決算を発表。「10-12月期(3Q)経常は70%減益」が嫌気された。
サンデンホールディングス <6444> が2月7日大引け後(16:00)に決算を発表。18年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常損益は31.9億円の黒字(前年同期は12.2億円の赤字)に浮上したが、通期計画の75億円に対する進捗率は42.7%にとどまり、5年平均の48.2%も下回った。
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■すららネット <3998> 3,800円 +700 円 (+22.6%) ストップ高 本日終値
すららネット<3998>がストップ高まで買われている。同社は7日取引終了後に、前17年12月期通期の単独経常利益が1億800万円(前の期比32.2%増)になったと発表。学習塾やBtoCマーケットでのサービス契約数が堅調に推移したことや効率的な経費支出の取り組みなどが寄与し、従来計画の8600万円から上振れ着地した。あわせて、今18年12月期通期の経常利益は1億5500万円(前期比43.5%増)を見込むと発表。主要顧客である学習塾や学校などへのオンライン学習教材「すらら」導入を推進するとともに、次の事業の柱としてBtoCや海外マーケットを視野に入れた事業展開を進めるとしている。
●ストップ高銘柄
川崎化成工業 <4117> 320円 +80 円 (+33.3%) ストップ高 本日終値
倉庫精練 <3578> 355円 +80 円 (+29.1%) ストップ高 本日終値
カワサキ <3045> 2,126円 +400 円 (+23.2%) ストップ高 本日終値
ラクオリア創薬 <4579> 3,185円 +500 円 (+18.6%) ストップ高 本日終値
など、16銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース