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【特集】高橋春樹氏【再上昇気配漂う日経平均、急騰一服後の針路は】(2) <相場観特集>

高橋春樹氏(三木証券 取締役 商品本部長)

―押し目買い意欲旺盛で、世界株高の流れに死角なし?―

 15日の東京株式市場は、目先筋の売り物をこなし切り日経平均株価が4日ぶりに反発。年初に日経平均が記録的な急騰をみせた反動もあって、前週後半は調整を入れたものの、下値では押し目買い意欲の強さを反映している。足もと進むドル安・円高などが重荷となってはいるものの、米国を中心とする世界株高の流れが心理的に強い味方となっている。当面の株式市場の上値をどうみるか。また下値リスクは。第一線で活躍するマーケット関係者に今後の見通しを聞いた。

●「輸出関連の主力銘柄には異彩の継続買い」

高橋春樹氏(三木証券 取締役 商品本部長)

 きょうの東京株式市場では、日経平均が4日ぶりに小幅反発となったが、指数の上昇以上に地合いの力強さを感じる相場となっている。きょうは、株式市場の取引時間中に、外国為替市場で1ドル=110円台半ばまで円高・ドル安が進行していたにも関わらず、主力の輸出関連銘柄のなかに極めて堅調な推移をみせる銘柄が目立った。

 例えば、ファナック <6954> の株価は、年明けの大発会以降きょうまで7連騰で、2万7000円だった株価がきょうは一時3万2000円台に乗せ、約20%もの急騰をみせている。また、日立製作所 <6501> は売買代金を膨らませて、10日につけた昨年来高値を更新している。このほかにも、日本電産 <6594> 、ダイフク <6383> 、オムロン <6645> 、キーエンス <6861> といった日本を代表する優良なハイテク株が円高にも関わらず頑強な値運びをみせている。

 これは、外国人投資家や国内機関投資家が“現状程度の円相場であれば、代表的な輸出関連銘柄については今期、来期ともに業績は堅調に推移するのでは”と判断して継続買いしているようだ。その一方で、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> に代表される金融株への物色意欲も根強く、全般相場は輸出関連と内需関連の銘柄を循環物色しながらジリ高歩調をたどることになりそうだ。

 しばらくは、値固めの地合いが予想されるものの、来週後半から本格化する3月期決算企業の第3四半期累計(17年4-12月)の決算発表で好調さが確認された場合には、日経平均は2万5000円に接近する水準まで上昇する可能性もある。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(たかはし・はるき)
1977年岡山大学法文学部卒業・第一証券入社。1999年第一証券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。

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