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【経済】NYの視点:7月FOMC議事録:9月B/S縮小へ、年内追加利上げの見方分かれる


米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した7月連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の中で、メンバーが最近のインフレ停滞への懸念を一段と強めたことが明らかになった。一方、バランスシートの縮小に関しては、大半のメンバーが次回の会合“an upcoming meeting”で開始することを支持したことが明らかになり、次回9月FOMCで、期限がきた資産の再投資が見送られる可能性がほぼ確実となった。

本年に入り、インフレの伸びが停滞。FOMCの基本的な見解は、特殊要因が影響しているためで、今後数年で加速するとの見通しに変わりはない。ただ、多くのメンバーが、インフレが2%割れで予想されていたよりも長期間推移すると、懸念を強めていることも明らかになった。また、数人のメンバーがインフレリスクバランスが「おそらく下方である可能性」を指摘。

低インフレに関する見方が分かれ、追加利上げに関しても意見が相違した。「辛抱強い姿勢が必要」と政策据え置きを主張するメンバーがいた一方、利上げを先送りした場合、過熱につながると追加利上げを続ける必要性を主張したメンバーもいた。

クリーブランド連銀のメスター総裁は、「低インフレが、利上げを先送りさせる状況ではまだない」との見解を示した。同総裁は、2017年のFOMC投票権を持たない。また、FOMCが開催された時点では、予想を大幅に上回った7月小売売上高の結果が出ていない。結果は下半期の消費が米国経済の成長を牽引し、インフレもいずれ引き上げると期待されている。次回9月のFOMCでは、7月会合で低インフレに懸念を強めていたメンバーも「インフレが上昇する」との自信を回復し、12月の追加利上げの支持にまわる可能性も残される。

●バランスシート
「ほとんどのメンバーは次回の会合“an upcoming meeting”でバランスシートの縮小に動くことを支持」

●インフレ
「特殊要因で、インフレは弱いと見ている」
「多くのメンバー、インフレは2%割れで予想より長期間推移すると予想」
「数人のBメンバー、インフレリスクはおそらく下方である可能性を指摘」
「インフレは今後数年で加速すると予想」
「インフレが抑制されているかどうかの判断で意見が分かれた」
「一部メンバーがインフレに懸念を表明し、辛抱強い姿勢が必要だと主張」
「他のメンバーは利上げを待ちすぎると、インフレの過熱につながる可能性を指摘」
「数人のメンバー、低インフレの長期化を懸念」

《CS》

 提供:フィスコ

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