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【特集】高橋春樹氏【日経平均2万円が再度“視界”に、ここからの戦略は】(3) <相場観特集>

高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品本部長)

NYダウ大台乗せのなか高まるトランプ相場への警戒と期待―

 NYダウがついに2万ドル大台超えを果たし意気が上がる米国株市場。日経平均株価も2万円大台を視界に入れつつトランプ相場の第2幕を待ち望む展開にある。しかし、予想以上に保護主義的な政策方針を連発するトランプ大統領に対する警戒感も拭いきれず、週明け30日の東京株式市場は利益確定売りに押された。ここからの相場展開と戦略はどうあるべきか、相場の機微を知りつくした市場関係者3人に意見を聞いた。

●「条件そろえば2月中に日経平均2万円試す展開に」

高橋春樹氏(三木証券 執行役員 商品本部長)

 発表が佳境を迎えている17年3月期第3四半期(4-12月)の決算内容は、外国為替市場での円安・ドル高進行も寄与して、これまでのところ半導体関連などを中心に比較的好調との印象だ。ただ、円安の恩恵が本格的に業績に貢献してくるのは、来期以降となる。

 トランプ米大統領の発言に一喜一憂する地合いとなっているが、米国にとってある程度の保護主義的な経済政策は、ドル高を誘発する面もある。ただ、あまりにも極端な保護主義政策となる可能性は限定的で、トランプ米大統領がインフラ投資や大幅減税に関連した政策に具体的に言及すれば、株価は上昇軌道を描くことになりそうだ。

 昨年11月の米大統領選直後からトランプ・ラリーで年初まで日経平均株価は大幅上昇し、その後約半月間で1000円程度の調整となった。この調整期間で特長的だったのが、好業績銘柄の押し幅が極めて小さいなど頑強な株価推移をみせていたことだ。

 日経平均株価の騰落レシオ25日移動平均は、90%台に低下して過熱感が払拭されているうえに、裁定買い残高も低い水準にとどまっている。また、外部環境もNYダウ平均株価が2万ドル台に乗せるなど堅調推移で、円・ドル相場が1ドル=115円を軸として落ち着きを見せてくれば、早い時期に1月5日の取引時間中の高値1万9615円を奪回し、2月中にも2万円にトライする可能性もありそうだ。

 物色対象としては、2つのジャンルに注目している。1つは銀行株に代表されるバリュー系の銘柄群。2つ目は、半導体関連銘柄に代表される好業績のグロース系の銘柄で、これらが交互に物色されることになりそうだ。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(たかはし・はるき)
1977年岡山大学法文学部卒業・第一証券入社。1999年第一証券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。

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