【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:トランプ大統領就任、米金融決算、通常国会召集
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
■株式相場見通し
予想レンジ:上限19600-下限18900円
来週はトランプ次期米大統領の就任式を控えていることもあり、もう一波乱を警戒する流れも意識しておく必要がありそうだ。先週のトランプ氏の会見は想定内といったところであったが、円相場が1ドル114円台と円高に振れて推移していることが重しとなった。また、調整局面で日銀のETF買い入れへの思惑もあったが、戻りの鈍さからややセンチメントが悪化した格好。昨年後半からの株高・円安により、ETFの減額等を警戒する声も聞かれ始めていた。
これにより日経平均はあっさり25日線を下回ったほか、価格帯別出来高をみると、比較的商いの膨らんでいる水準を下回る半面、現在は商いの薄いところに位置しており、19000円辺りを割り込んでくるようだと、18500円辺りまでは早いと考えられる。そのため、短期筋の売り仕掛け的な商いには注意する必要があるだろう。
また、決算シーズンとなるなか、13日にはJPモルガン・チェースなど米金融株の決算が発表された。JPモルガンの2016年10-12月期の純利益は前年同期比24%増だった。トランプ相場を受けたトレーディング収入の増加が寄与し、市場コンセンサスを上回っている。バンク・オブ・アメリカもコンセンサスを上回っており、この結果を受けた週明けのメガバンクの動向も注目される。
足元で不透明感が高まりつつあるが、メガバンクが底堅さをみせてくるようだと、相場全体の底堅さがより安心感につながることになる。また、今週は17日にモルガン・スタンレー、18日にシティグループ、ゴールドマン・サックスの決算が予定されている。
その他、通常国会が20日に召集される。通常国会の会期は150日間で、延長がなければ6月18日が会期末になる。デフレ脱却に向けて金融政策、財政政策、成長戦略の3本の矢を打ち続けていく。今月下旬には米国でトランプ次期大統領との首脳会談も調整していると伝えられており、トランプ物色が改めて強まるきっかけとなる可能性もありそうだ。
■為替市場見通し
来週のドル・円は115円前後でもみあう展開が予想される。昨年11月8日の米大統領選以降の急激なドル高を調整する動きはトランプ氏が大統領に正式就任する20日まで続く可能性がある。トランプ次期政権については、減税やインフラ整備などを重点化した景気刺激策が期待される反面、保護主義的な通商政策に対する市場の警戒感は残されており、ドルの強弱材料(売買要因)は混在していることから、ドル・円相場が一方向に大きく動く可能性は低いとみられる。
■来週の注目スケジュール
1月16日(月):機械受注、工作機械受注、IMF世界経済見通しなど
1月17日(火):訪日外国人客数、欧州新車販売台数、独ZEW期待調査など
1月18日(水):米鉱工業生産指数、米NAHB住宅市場指数、ベージュブックなど
1月19日(木):ECB政策金利、米消費者信頼感指数、イエレンFRB議長講演など
1月20日(金):コンビニ売上高、通常国会召集、中10-12月GDPなど
《TM》
提供:フィスコ