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【特集】萩原電気 Research Memo(1):17/3期2Qは過去最高の売上高を更新

萩原電気 <日足> 「株探」多機能チャートより

萩原電気<7467>は名古屋を地盤とする半導体、電子部品の商社である。売上高の約90%が自動車業界向けで、トヨタ自動車<7203>グループを主要顧客に持つ。

2017年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が48,046百万円(前年同期比8.5%増)、営業利益が1,283百万円(同9.1%減)、経常利益が1,216百万円(同11.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が874百万円(同0.2%減)となった。主要得意先である自動車関連企業の生産増により売上高は過去最高となったが、営業利益は先行投資負担や前年同期の特需が消失したことなどから、前年同期比では減益となった。ただしこれらは想定の範囲内であり、期初予想比では増益であった。おおむね好調な決算だったと言える。

進行中の2017年3月期の連結業績は、売上高97,000百万円(前期比4.0%増)、営業利益2,810百万円(同6.8%減)、経常利益2,720百万円(同6.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,850百万円(同3.3%減)を見込んでおり、期初予想と変わっていない。主要顧客の生産動向などから売上高は増加する見込みだが、IoT(Internet of Things)やM2M(Machine to Machine)のような新技術に対応して投資(主に人材への投資)を増やすことから営業利益以下は減益を予想している。しかしこれらのコスト増は同社自身が調整可能な費用であるため、場合によっては増益となる可能性も残っている。

同社は単なる商社機能だけでなく、提案力・開発力を生かして企業付加価値を高めている。中長期的にも主要顧客であるトヨタグループのハイブリッド車生産増の恩恵、自動車の各種自動化(自動運転、自動ブレーキ等)の進化、さらには製造現場におけるIoTやM2Mの浸透などにより、さらに大きく成長する可能性を秘めている。

■Check Point
・単なる商社機能だけでなく、開発、技術サポート部門を有し、優れた提案力・開発力に強み
・主要得意先の自動車関連企業の生産増が過去最高業績に寄与
・「体制の強化」と「ソリューションの拡充」に注力

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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