【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ソフトバンク、すかいらーく、エプソン
ソフトバンク <日足> 「株探」多機能チャートより
ソフトバンクグループ<9984>が全般悪地合いに逆行し5連騰で新値追い、日経平均と連動しやすい値がさ株であるにもかかわらず、活況商いのなかで上値指向を継続。トランプ次期米大統領は、個別企業に対し「口先介入」で保護主義的な立場を鮮明としている。後手に回る企業が多いなか、ソフトバンクはトランプ氏が昨年の大統領選に勝利した後いちはやく、孫正義社長がトランプタワーで会談して米国における500億ドル規模の投資を確約、これが今後の米国ビジネスのポテンシャルを高めるものとして、海外機関投資家の買いを呼び込んでいるもよう。IT革命の究極領域である人工知能(AI)分野の研究開発に世界が躍起となるなか、同社は同分野で主導権を握ることへの野心が旺盛であり、今後、米国でのインキュベーション事業に市場の関心が高まっている。
■すかいらーく <3197> 1,584円 +7 円 (+0.4%) 本日終値
すかいらーく<3197>がしっかり。前週末6日の取引終了後に発表した12月度のIRレポートで、既存店売上高が前年同月比3.8%増と2カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感されている。16年に行った数回のグランドメニュー改定の効果や、「牛赤身ステーキ」フェア、「冬の肉料理」フェアなどの効果でガストの既存店売上高が同6.9%増と3カ月連続で前年を上回ったことが寄与した。また、前年の12月と比較して祝日配置が良かったことによるプラス影響、年末休暇が週末と重なったことによるマイナス影響、天候条件が良かったことなども影響したという。
■鳥貴族 <3193> 2,622円 +11 円 (+0.4%) 本日終値
鳥貴族<3193>が続伸。前週末6日の取引終了後に発表した12月度の月次報告で、既存店売上高が前年同月比0.4%増と2カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感されている。客単価が0.8%減と前月の同2.4%減に比べて持ち直したことに加えて、客数が同1.1%増と2カ月ぶりにプラスに転じたことが寄与したようだ。
■マクドナルド <2702> 3,050円 +5 円 (+0.2%) 本日終値
日本マクドナルドホールディングス<2702>はしっかり。前週末6日の取引終了後に発表した12月度の月次動向で、既存店売上高が前年同月比17.0%増と13カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。季節限定メニューの「グラコロ」を23年ぶりにリニューアルした「超グラコロ」や「超デミチーズグラコロ」が好調だったほか、「怪盗ナゲッツ」プロモーションなども奏功した。また、「三角チョコパイ」や具だくさんのスープ、「ホットココア」なども好評だったようだ。なお、全店売上高は同15.6%増だった。
■武田薬品工業 <4502> 4,966円 +1 円 (+0.0%) 本日終値
武田薬品工業<4502>が全般軟調相場に抗して5日続伸。輸出主力株に手掛けづらさが出るなか、ディフェンシブ的側面のある医薬品セクターに買いが集まっており、この流れは新興市場のバイオ関連株にも波及している。その先導役となっているのが同社株だ。同社は9日、米マサチューセッツ州に本拠を置くアリアド・ファーマシューティカルズ社を約6260億円で買収することを発表、これが株価を刺激する格好となった。同社が推し進める経営戦略の一環として固形がん分野への拡大と血液がん分野のさらなる強化により、グローバルな業容拡大を図る方針。今回の買収は将来的な成長ドライバーとして、マーケットの評価につながった。
■みちのく銀行 <8350> 200円 -27 円 (-11.9%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
6日、みちのく銀行 <8350> が3044万株の公募増資とオーバーアロットメントによる売り出しに伴う上限456万株の自己株処分を発表したことが売り材料。新株発行が最大で発行済み株式数の約20.2%におよぶ規模とあって、株式価値の希薄化や株式の需給悪化が懸念された。発行価格は1月17日から20日までのいずれかの日に決定。最大で約72億円の調達資金については、全額を貸出金など運転資金に充てる。
■セイコーエプソン <6724> 2,346円 -206 円 (-8.1%) 本日終値 東証1部 下落率2位
セイコーエプソン<6724>が大幅反落。日本経済新聞社は6日の取引終了後、日経平均株価の構成銘柄からミツミ電機<6767>を除外し、大塚ホールディングス<4578>を採用すると発表したが、大塚HDと並んでエプソンも新規採用の有力候補とみられていただけに、失望売りが出ているようだ。今回の構成銘柄の入れ替えは、ミツミ電機がミネベア<6479>との経営統合で上場廃止になるため。なお、入れ替えは24日に実施される。
■島忠 <8184> 2,826円 -194 円 (-6.4%) 本日終値 東証1部 下落率4位
島忠<8184>が大幅続落。前週末6日の取引終了後に発表した第1四半期(16年9~11月)単独決算が、売上高345億9000万円(前年同期比8.2%減)、営業利益18億800万円(同28.9%減)、純利益19億8900万円(同16.0%減)と大幅減益となったことが嫌気されている。同業他社や異業種との競争が激化していることや個人消費の低迷を受けてホームセンター用品が落ち込んだほか、利幅の厚い家具・ホームファッション用品も低迷し売上高・利益を押し下げた。なお、17年8月期通期業績予想は、売上高1533億3300万円(前期比2.2%増)、営業利益119億8100万円(同16.8%増)、純利益100億1000万円(同12.1%増)の従来予想を据え置いている。
株探ニュース