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【特集】【中国の視点】中国経済がヤバイ?昨年の債務増加は日米欧の合計以上


中国の債務残高が大幅に拡大しており、経済の安定成長を阻む可能性が高まっている。モルガン・スタンレー証券(MS)は最新リポートで、過去1年間の中国の債務増加額が4兆5000億米ドル(約461億円)になったと推測し、拡大額は日米欧の合計額約3兆6200億円を上回ったと指摘した。

また、中国の人民大学が発表した月次リポートの中で、今年に入ってから中国が25兆元(約375億円)超の債券を新たに発行し、発行額は昨年通期を上回ったと指摘。債券市場の残高が80兆元に接近していると警告した。人民大学のリポートからみると、MSの推測額の信憑性が高いと肯定されている。

専門家は、過去1年の中国経済の回復について、新たな債券発行などを通じて経済を押し上げていると指摘。中国経済がL字型で成長しており、今後の経済政策について、「安定成長の維持」から「リスク回避」に切り替える必要があると提言した。

また、新たに増加した債務の中、大部分が不動産やインフラ関連に流入しているため、これが住宅価格を押し上げているほか、商品価格の高騰につながっていると分析された。

専門家は、経済がさまざまな要素によって影響されているため、成長率ばかり追求すると経済が健全性を失うことになると警告し、バランスの取れた景気対策が必要になると強調した。
《ZN》

 提供:フィスコ

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