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【市況】明日の株式相場見通し=市場エネルギー不足に懸念、為替の動向がカギを握る

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 あす(14日)の東京株式市場は、買い手掛かり材料に乏しいなか引き続き下値を意識する展開となりそうだ。10月に入ってから売買代金は一度も2兆円台に乗せておらず、市場エネルギー不足が顕著。下押す場面では日銀のETF買いへの思惑が押し目買いを誘発しそうだが、決算発表の本格化を前に上値を積極的に買う動きにも乏しそうだ。

 日経平均株価は現時点ではまだ25日移動平均線上でとどまっており、週明けに1万7000円台を回復した余韻が残るなか、トレンド自体が下向きに変わった感触はない。とはいえ、今の相場は再び為替の動向に神経質な展開となっており、目先はドル・円相場を横目に不安定な動きを強いられる可能性がある。米国の長期金利が上昇傾向を示すなか、日米金利差拡大思惑から、中期的にはドルが買われる方向に変化はないと思われる。ただし、足もとはきょうの中国経済指標の発表で乱れが生じたように、リスクオフの連鎖で円高を誘発する可能性もあり注意が必要だ。いずれにしても為替次第で相場の景色はガラリと変わる。

 13日の東京株式市場を振り返ると、朝方は為替が円安に振れていたことで、リスク選好ムードにあったが、その後は買いが続かずに値を崩す展開となった。前場取引時間中に発表された中国の貿易統計で輸出の大幅減少が確認され、為替がにわかに円高方向に押し戻されたことが利益確定売り圧力を高める結果となった。

 日程面では、寄り前に9月のマネーストック・企業物価指数などが発表される。前場取引時間中には9月の中国CPI(消費者物価指数)や中国PPI(工業生産者出荷価格指数)などが発表される。また、海外では日本時間の夕刻に8月のユーロ圏貿易収支、夜には9月の米国PPI(卸売物価指数)や小売売上高、8月の米企業在庫などが予定される。また、ボストン連銀主催のイベントでイエレンFRB議長の講演が予定されており要注目となる。
(中村潤一)

出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)

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