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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~主力株は利益確定、中小型株にシフトしやすく

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

12日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:主力株は利益確定、中小型株にシフトしやすく
■外資系証券の注文動向:差し引き100万株の売り越し
■前場の注目材料:公共工事にドローン活用、測量や設計で義務化へ



■主力株は利益確定、中小型株にシフトしやすく

今週も引き続きこう着感の強い相場展開になりそうである。9日の米国株式相場はNYダウが400ドル近い下落となるなか、12日の日経平均は25日線辺りでの攻防を余儀なくされそうである。

9日の米国市場では、ボストン連銀総裁が利上げに前向きの姿勢を示したことが下落要因となったが、米国の利上げ時期に対する思惑から不安定な状況が続くなか、週初にはアトランタ連銀総裁、ミネアポリス連銀総裁、ブレイナードFRB理事の講演が予定されている。市場関係者の利上げ時期の予想が定まっておらず、それによって振らされる展開になりそうだ。利上げ観測の高まりはドル高・円安に向かわせようが、海外勢のポジション調整に伴う売り圧力が主力株を中心に上値の重しになりかねない。

とはいえ、下値の堅さも意識されるだろう。日銀の指数連動型の上場投資信託(ETF)買入れに対して、規模や期間等から買い遅れ感が指摘されるなか、7日にはETFを733億円買入れたと発表。これまでの1日あたりの買入れ規模707億円から増額したほか、設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETFも12億円買入れた。取得額の増加によって、より需給の下支え意識から売り込みづらくなり、底堅さが意識されよう。

その中で個人主体の売買は、足元で動意をみせてきている新興市場の中小型株にシフトしやすいだろう。先回り的な売買から買い疲れ感もあろうが、「東京ゲームショウ2016」開幕(15日から18日まで)を手掛かりとしたテーマ株物色に向かわせることになりそうだ。その他、フィンテックや自動運転車、ドローン関連等の動向も注目される。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)



■外資系証券の注文動向:差し引き100万株の売り越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り650万株、買い550万株、差し引き100万株の売り越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。


9月05日(月):670万株の売り越し
9月06日(火):60万株の買い越し
9月07日(水):60万株の売り越し
9月08日(木):50万株の買い越し
9月09日(金):820万株の売り越し



■前場の注目材料

・NYダウは下落(18085.45、-394.46)
・NY原油は下落(45.88、-1.74)
・デンソー<6902>、富士通テンを子会社化へ
・フィンテック関連への物色強まる
・公共工事にドローン活用、測量や設計で義務化へ
・中国、半導体投資を5年で5兆円
・8月中国新車販売24%増
・ゲームショウ控え、VR/AR関連物色が活発



☆前場のイベントスケジュール


<国内>
・08:50 7月機械受注(前月比予想:-3.0%、6月:+8.3%)
・08:50 8月国内企業物価指数(前年比予想:-3.4%、7月:-3.9%)
・政府観光局インバウンド旅行振興フォーラム開催(13日まで)


<海外>
・特になし

《WA》

 提供:フィスコ

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