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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~日経平均は節目をクリア、5月末の戻り高値を意識

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

5日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:日経平均は節目をクリア、5月末の戻り高値を意識
■外資系証券の注文動向:差し引き670万株の売り越し
■前場の注目材料:サムスンが最新スマホ回収



■日経平均は節目をクリア、5月末の戻り高値を意識

5日の日本株市場は堅調な展開が見込まれる。注目された8月の非農業部門雇用者数(季節調整済み)は15.1万人増。コンセンサスは18万人増だった。発表直後には為替市場では一時102円台後半、大阪225先物は16900円を割り込む局面もみられた。しかし、その後は米国市場の強い反応を受けて、為替は一時104円台に乗せ、225先物は17170円までの上昇をみせている。週明けの反応としては、ギャップアップで5月末の戻り高値(17251.36円)を窺う展開になりそうだ。

ただ、利上げ時期については9月、12月といった見方が分かれているようであり、判断に迷いがある。雇用統計の結果からは9月利上げが後退した感はあるが、FRBの利上げに向けた積極姿勢を踏まえ、9月利上げの可能性を意識しつつも、結果的には9月20日・21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは強弱感が対立しやすい局面がありそうだ。

とはいえ、足元のドル高・円安基調や原油相場の調整基調を見る限り、利上げを織り込んだ流れに向かっているとみられる。年内利上げ観測を背景としたドル高・円安基調が景気敏感セクターを見直す流れを継続させることになりそうだ。ただ、週明けの米国市場はレイバーデーの祝日となるため、海外勢の本格的な資金流入は祝日明け後になろう。

物色材料としては7日に米アップルがイベント開催し、新型iPhoneなどを発表する可能性がある。電子マネー等の関連銘柄への関心が高まりそうである。その他、NTTデータ<9613>は楽天野球団と共同で、仮想現実(VR)を使う打撃練習システムを開発したと報じられており、VR関連が注目されやすい。また、IoT、AI、フィンテック等の材料もあり、個人主体のテーマ株物色は活発だろう。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)



■外資系証券の注文動向:差し引き670万株の売り越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り1130万株、買い460万株、差し引き670万株の売り越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。


8月29日(月):650万株の買い越し
8月30日(火):270万株の買い越し
8月31日(水):210万株の買い越し
9月01日(木):500万株の買い越し
9月02日(金):350万株の売り越し



■前場の注目材料

・NYダウは上昇(18491.96、+72.66)
・NY原油は上昇(44.44、+1.28)
・国内のベンチャー(VB)投資が急増
・消費者態度指数2カ月ぶり改善
・米8月雇用、15万人増、市場予想を下回る
・サムスンが最新スマホ回収
・NTTデータ、VRを使う打撃練習システム開発
・ディズニーシー15周年
・ロボット投信、コールセンター業務を自動化



☆前場のイベントスケジュール


<国内>
・09:00 7月毎月勤労統計・現金給与総額(前年比予想:+0.4%、6月:+1.4%)
・11:00 黒田日銀総裁講演


<海外>
・10:45 中・8月財新サービス業PMI(7月:51.7)
・G20首脳会議(杭州、最終日)
・米国市場は休場(レーバーデー)、インド休場

《WA》

 提供:フィスコ

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