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【市況】「ポケモノミクス」相場【クロージング】

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

13日の日経平均は3日続伸。135.78円高の16231.43円(出来高概算27億3000万株)で取引を終えている。米国市場では世界的なリスク回避ムードが後退するなか、NYダウ、S&P500指数は最高値を更新。シカゴ日経225先物清算値は大阪比365円高の16515円となり、これにさや寄せする格好から買い先行で始まった。その後16444.25円まで上げ幅を拡大させ、6月24日の英国のEU離脱を巡る国民投票の結果を嫌気した急落前水準を回復。これにより、目先的な達成感も意識されるなか、その後は売り買いが交錯した。大引けにかけて上げ幅を縮めているが、16200円処での押し目買い意欲の強さが窺えた。

セクターでは銀行が上昇率トップ。鉱業、輸送用機器、証券、空運、非鉄、ガラス土石、機械、海運、鉄鋼、卸売などこれまで売り込まれていた景気敏感セクターを中心に見直されていた。一方で、足元で急動意をみせていた任天堂<7974>が上げ一服となり、その他製品が下落率トップ。陸運、医薬品、食料品、倉庫運輸、情報通信などが利食い優勢だった。

日経平均は英国のEU離脱ショック時の急落部分を吸収した。約1ヶ月ぶりに16400円を回復しており、いったんは達成感も出やすいところであろう。また、一目均衡表では雲下限に接近しているほか、価格帯別出来高では16600-16800円辺りが積み上がっていることもあり、次第に戻り売り圧力も意識されやすいところであろう。

とはいえ日本の参議院選挙でのアベノミクス信任、英国の次期首相決定など世界的なリスク回避ムードが後退するなか、引き続き相対的に売り込まれていた日本株への見直しが期待されるところ。特に海外勢はアベノミクスへの失望から1-5月で4兆円超売り越しており、今回の参議院選を受けた安定政権により、低下させていた日本株比率の引き上げ等も次第に意識されてくる可能性はありそうだ。

また、任天堂が上げ一服となったが、市場では「ポケモノミクス」といった造語が飛び出すなど、「ポケモンGO」は世界的な社会現象となる可能性がある。そのため、利食いを交えての上昇を想定しつつ、AR(拡張現実)などへの物色が続きそうだ。そのほか、LINE上場が近づいている。グレーマーケットでの強い動き等が市場関係者の話として伝わってきており、LINE関連への物色に向かわせそうである。その他、引き続き売り込まれていた銀行など、景気敏感セクターへの見直しも意識されやすいだろう。

《AK》

 提供:フィスコ

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