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【特集】三機工業 Research Memo(5):原価管理の徹底などによりすべての利益で増益

三機工 <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績動向

建築設備事業全体の受注高は152,432百万円(同1.6%増)であった。特に三機工業<1961>が得意とする産業空調が52,522百万円(同12.3%増)、ファシリティシステムが11,070百万円(同19.4%増)と好調だったが、これは電機・自動車などの製造業で円安を背景に国内での設備投資の動きが活発になったことが起因している。またプラント設備では、機械システムが10,309百万円(同80.4%増)、環境システムが19,610百万円(同17.0%増)とそれぞれ受注増となった。特に産業空調と機械システムでは、大型案件の受注を獲得したことが大幅受注増に寄与している。

大型案件(10億円以上)の受注は全体的に好調で、19件、31,476百万円(前期は12件、20,619百万円)であった。受注先の業種別も下記のとおり多岐にわたっている。

このような状況から、全受注高は183,270百万円(同5.7%増)となり、期末の次期繰越工事高は106,388百万円(同4.3%増)となった。

●財務状況
2016年3月期末の財務状況について、流動資産は115,491百万円(前期末比732百万円減)となったが、主に現預金の減少2,766百万円、売掛債権の減少3,534百万円などによる。固定資産は53,931百万円(同6,226百万円減)となったが、株価の下落による投資有価証券の時価の減少4,914百万円などによる。この結果、期末の総資産は169,423百万円(同6,958百万円減)となった。

流動負債は72,863百万円(同757百万円増)となったが、主に買掛債務の減少4,676百万円、未成工事受入金の増加503百万円などによる。固定負債は12,001百万円(同7,404百万円減)となったが、主に繰延税金負債の減少2,101百万円、退職給付にかかる負債の減少3,549百万円などによる。この結果、期末の負債合計は84,865百万円(同6,647百万円減)となった。また、その他有価証券評価差額金の減少等により純資産合計は84,557百万円(同311百万円減)となった。

●キャッシュフローの状況
2016年3月期のキャッシュフローについて、営業活動によるキャッシュフローは5,220百万円の増加であったが、これは主に仕入債務の支払いが売上債権の回収を上回ったものの、税金等調整前当期純利益7,834百万円を計上したことによるものである。投資活動によるキャッシュフローは5,520百万円の増加であったが、これは主に定期預金の払戻による収入5,600百万円によるものである。財務活動によるキャッシュフローは1,826百万円の減少となったが、これは主に配当金の支払い1,366百万円によるものである。

この結果、2016年3月期末の現金及び現金同等物は、対前期末で8,833百万円の増加となり、期末残高は32,501百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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