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【経済】ビットコイン---「ブロックチェーンの衝撃」~ビットコイン、FintechからIoTまで、社会構造を覆す破壊的技術


静かに、しかし着実に広がりを見せる仮想通貨革命。その主役ともいえるビットコイン、ブロックチェーンについて、分かりやすく書かれた書籍が刊行された。

「ブロックチェーンの衝撃~ビットコイン、FintechからIoTまで、社会構造を覆す破壊的技術」(日経BP社刊・2800円+税)がそれだ。

「1990年頃、インターネットがここまで爆発的に広まることを想像していた人は多くはなかったであろう。「仮想通貨」に対する認識も、10年も経てば劇的に変化し、現金、カード、小切手などに取って代わっているかもしれない」(本文より)。

今後、社会構造を変えるとまで言われ、注目を集める「ビットコイン」と「ブロックチェーン」。本書の共同執筆者の一人でもある経済学者の野口悠紀雄氏は序章において「ビットコインなどの仮想通貨や、それを支えるブロックチェーン技術は、極めて斬新なものだ。それは社会の基本的な構造を大きく変える潜在力を持っている」と述べ「ところが、仮想通貨は、正確に理解されていない」と続けている。

また、インターネットブラウザ、ネットスケープの創業者、マーク・アンドリーセンはブロックチェーン技術について「ビットコインはそもそも最も基本的なレベルで、コンピュータサイエンスにおけるブレイクスルーである(中略)。このブレイクスルーの重要性は、どれだけ誇張しても言い過ぎることはないだろう」と語る。
そしてBNPパリバ銀行のリサーチアナリストのヨハン・パリチャーは「ブロックチェーン技術は、蒸気機関や燃焼機関と同様に扱われるべき世紀の発明であり、金融界どころか、その外までをも変貌させてしまう可能性を秘めている」と語っている。

それほどの大きな潜在能力を秘めていると考えられており、多くの人たちが注目しているビットコインやブロックチェーンだが、残念ながら日本では、マウントゴックス事件の影響による誤ったイメージなどもあり、いまだに正しく認識も理解もされていないというのが現実だ。

本書はその誤った認識を正し、初歩の初歩から、ビットコインやブロックチェーンについて非常に分かりやすく解説をしてくれる。

そもそもビットコインとはどういったものなのか? そしてそこに使われているブロックチェーンという技術はどのようなものなのか? それらの広がりによって、一体どんなビジネスが生まれようとしており、どんな技術がそれを可能にしているのか? 日本の法制度はどう対応しているのか???。

本書の中では、ビットコインやブロックチェーン技術で事業や技術開発を進めるエキスパートら15人が、業界の発展を目指して、実務で得たノウハウや知見を、惜しげもなく披露している。その対象となるのは金融の専門家だけでなく、新規事業の開発や経営企画に携わる広いビジネスパーソン、そしてビットコインやブロックチェーンがもたらす新たな社会に好奇心と興味を抱く、すべての人々だと言っていい。

いまや証券市場でも最も注目を集めるテーマのひとつ「フィンテック」。そしてその本丸とも言われるビットコイン&ブロックチェーン。日本におけるその道のエキスパートたちが筆をとった本書は、専門家にとっても有益な内容となっているのと同時に、どの項目も一般の人にも非常に読みやすく、分かりやすく書かれているのが特徴だ。

時代の最先端のテーマについて基本的な知識を身につけ、今後の株式市場を占うための参考書として、ぜひ一読をおすすめしたい一冊である。

《FA》

 提供:フィスコ

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