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【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─ 夏相場のスタート!と期待が高まっているが…

株式評論家 杉村富生

「夏相場のスタート!と期待が高まっているが…」

●株式相場を取り巻く環境は絶好調?

 株式市場を取り巻く内外の環境は急好転を示している。いよいよ夏相場のスタートか。NY市場をはじめ、世界的に株高(リスク・オンの姿勢が鮮明)だし、為替は1ドル=110円台の円安に振れている。日経平均株価は5月のSQ値(1万6845円)を上回ってきた。マーケットの期待が高まるのは当然だろう。

 注目の6月23日のイギリスの国民投票(EU残留か、離脱かを問う)は残留の可能性が濃厚という。6月14~15日のFOMCではFRBが昨年12月に続き、2回目の利上げに踏み切る、とエコノミストの多くが予測している。日銀は6月15~16日の金融政策決定会合において、追加の金融緩和を断行する、という。

 為替(円安)、株価にとってはベスト・シナリオである。しかし、本当に、そんなにシナリオ通りうまくいくだろうか。筆者は6月の利上げはない、と考えている。恐らく、利上げは7月か9月だろう。さらに、日銀は動かない。この結果、ベスト・シナリオは一瞬にして崩れる。為替はイベント・ドリブンなど投機筋の介入があって、1ドル=105円のカベを突破、超円高進行の可能性がある。

●イベント・リスクは避けるのが基本!

 これがイベント・リスクは避けよ!の教えである。臆病さが身を守る。まして、ベスト・シナリオを前提に買い進むのは危険きわまりない。“逆目”が出たらどうするのか。2階に駆け上がったとたんに、ハシゴをはずされるようなものではないか。

 一方、物色面では引き続いてテーマ性を有する“小物”を攻めたいと思う。フィンテック&ブロックチェーン関連の本命的な存在のセレス <3696> [東証M]は狙える。チャートはもみ合いを上放れ。このほか、信用規制を嫌気し、急落しているが、アルファクス・フード・システム <3814> [JQG]に注目できる。

 DMP <3652> [東証M]はソニー <6758> の孫会社(親会社はUKCHD <3156> )である。ソニー向けVR部品の供給に加え、豊田通商 <8015> と提携、トヨタ自動車 <7203> のミラーレスカー用の画像処理システムを納入する。

2016年5月26日 記


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