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【市況】来週の株式相場見通し=円相場にらみで波乱続く、業績リスクの織り込み道半ば

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 来週(11~15日)の東京株式市場は、引き続き外国為替市場での円相場の動きに大きく影響される推移となりそうだ。7日の海外為替市場では、1ドル=107円台後半まで円が急騰するなど、円高波乱は拡大しており、来週も予断を許さない状態が続きそうだ。日経平均株価の想定レンジは1万5300~1万6300円とする。

 だだ、急速に円高・ドル安が進行するなかでも、日経平均株価は7日、8日と終値では続伸となっており、ある程度の底堅さを示したといえそうだ。とくに、きょうは日経平均寄与度の最も大きいファーストリテイリング<9983>が急落し、1銘柄だけで約152円分も引き下げていることや、東証の業種別株価指数33業種のうち不動産を除く32業種が前日比でプラスとなったことなどを考慮すると、反発エネルギーの強さが分かる。

 一方で、市場関係者からは「1ドル=107円まで上昇してきた円相場が、輸出企業の17年3月期業績に実際どの程度のマイナス影響を与えるかの、株価への織り込みはまだ道半ばといえる。業績見通しの発表が本格化する今月下旬までは不透明感が残る」との見方も出ていた。

 日程面では、日銀の生活意識に関するアンケート調査、2月の機械受注(11日)、3月の国内企業物価指数、3月のマネーストック(13日)、3月の首都圏新規マンション発売(14日)に注目。海外では、中国3月の消費者物価指数・生産者物価指数(11日)、米3月の財政収支・輸入物価指数(12日)、中国3月の貿易収支、米3月の小売売上高・生産者物価指数、ベージュブック(13日)、米3月消費者物価指数(14日)、中国1~3月期のGDP、中国3月の鉱工業生産・小売売上高・都市部固定資産投資、米3月の鉱工業生産・設備稼働率(15日)が焦点となる。(冨田康夫)

出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)

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