【市況】来週の株式相場見通し=円相場にらみで波乱続く、業績リスクの織り込み道半ば
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
だだ、急速に円高・ドル安が進行するなかでも、日経平均株価は7日、8日と終値では続伸となっており、ある程度の底堅さを示したといえそうだ。とくに、きょうは日経平均寄与度の最も大きいファーストリテイリング<9983>が急落し、1銘柄だけで約152円分も引き下げていることや、東証の業種別株価指数33業種のうち不動産を除く32業種が前日比でプラスとなったことなどを考慮すると、反発エネルギーの強さが分かる。
一方で、市場関係者からは「1ドル=107円まで上昇してきた円相場が、輸出企業の17年3月期業績に実際どの程度のマイナス影響を与えるかの、株価への織り込みはまだ道半ばといえる。業績見通しの発表が本格化する今月下旬までは不透明感が残る」との見方も出ていた。
日程面では、日銀の生活意識に関するアンケート調査、2月の機械受注(11日)、3月の国内企業物価指数、3月のマネーストック(13日)、3月の首都圏新規マンション発売(14日)に注目。海外では、中国3月の消費者物価指数・生産者物価指数(11日)、米3月の財政収支・輸入物価指数(12日)、中国3月の貿易収支、米3月の小売売上高・生産者物価指数、ベージュブック(13日)、米3月消費者物価指数(14日)、中国1~3月期のGDP、中国3月の鉱工業生産・小売売上高・都市部固定資産投資、米3月の鉱工業生産・設備稼働率(15日)が焦点となる。(冨田康夫)
出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)