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2016年01月13日18時00分

【経済】「16年IT業界のキーワードは?」 CNET Japan編集長に聞きました! <直撃Q&A>

別井貴志氏(CNET Japan編集長)

 年明けから株式市場ではフィンテック関連やドローン関連、人工知能(AI)関連など、今後の成長が期待される分野をテーマとした銘柄が物色人気を集めている。既に、こうしたテーマは昨年から注目を集めており、今年に入り、その注目度が一気に跳ね上がった格好だ。上に挙げたテーマ以外にも、IT分野を中心に今年注目を集めそうなテーマは多い。そこで、今回はIT分野を中心にテクノロジーとビジネス情報を提供するメディアサイト「CNET Japan」の別井貴志編集長に、今、注目のキーワードを聞いた。


●別井貴志氏(CNET Japan編集長)

Q1 株式市場では年明けからフィンテック(金融+IT)関連が人気になっています。このような新たなテーマとなりそうなIT分野のテーマはありますか。

 まず、ITを取り巻く環境からいうと、現在は新しいテクノロジーの流れが出てくるまでの端境期にあるとみています。ハードウェアをとってみても、パソコンからインターネット、ガラケー、スマートフォンと変遷する中で、それらがすべてコモディティ化し、特別なものではなくなってきています。そうした「ITが当たり前にある世の中」で、次にイノベーションを起こすものが何なのか。それが出るまでの時間に入ってきているのだと思います。

Q2 現状は新たなテーマが出にくい状況にあるということでしょうか? その中でキーワードを上げるとしたらどういったものでしょうか。

 ただ、さまざまな新しいサービスも生まれていますので、それが注目のキーワードになると思います。

 まず、挙げたいのが、「Physical Web(フィジカルウェブ)」。2014年に米グーグルが発表したアプリを介さず機器とインターネットを連携できる標準規格で、現在は「Eddystone」と名を変えています。米アップルの「iBeacon(アイビーコン)」に似ていますが、よりオープンな発想で操作も簡単です。これを使って「その場所に行かないと受けられないサービス」が広がっていますが、O2O(オンライン・トゥ・オフライン)へのニーズも高まっているので、さらに広がりを見せるでしょう。

 また、「GitHub(ギットハブ)」にも注目しています。一言でいうとオープンソースソフトウェア開発のプラットフォームサービスで、プログラムソースなどの変更履歴を管理するシステムである「Git」の仕組みを利用して、世界中の人々が自分の作品(プログラムコードやデザインデータなど)を保存・公開することができるようにしたストレージサービスです。既に米国ではホワイトハウスが活用していますし、日本では国土地理院などで活用されています。昨年12月には和歌山県もアカウントを取得し活用を始めましたが、今後、他の公共団体にも広がるとみています。

Q3 そのほかに注目されている分野はありますか。

 株式市場でも話題になっていますが、ドローンに注目しています。「今さら」と言われそうですが、私が注目しているのは今年からドローンのビジネス活用が一気に広がりそうなことです。今年はこうしたドローンのように、さまざまなテクロノジーがどう活用されるかが鮮明になる年だとみていて、ほかにも人工知能(AI)・機械学習などもテクノロジーの活用が進み、「Google フォト」や不動産情報のマッチングなどのように目に見える形で現れてくるのだと思います。

 ところで、「Ingress(イングレス)」というスマホ向けのゲームをご存じですか。「Google Maps」や「Google Earth」を手がけてきたJohn Hanke(ジョン・ハンケ)が生み出した位置情報ゲームで、現実世界と仮想世界が二重写しになった仮想現実世界の中を、2つの陣営が陣取り合戦をするという内容です。このことからわかるように、私はこれをゲームだとは思っていなくて、プラットフォームの一つだと考えていますが、このプラットフォームをもとに任天堂などと開発を進めている「Pokemon GO(ポケモン ゴー)」にも注目しています。Ingressには日本企業が多くスポンサーとなっているので、これもビジネス活用の好例ですね。

 テクノロジーの活用という点では、私たちの「CNET Japan」もテクノロジーを使ってどう世の中が変わっていくのかということを紹介するメディアに変化しなければならないと考えています。注目しているのは「ヘルスケア」「エデュケーション」「ライフ・ワーク」「アグリカルチャー」「ローカル」「スタートアップ」といった分野で、こうした分野がテクノロジーでどう変わるかを追いかけたいと思っています。

Q4 最後に、今年特に注目されているビジネスパーソンはいますか。

 株式会社Cerevo(セレボ、東京都千代田区)の岩佐琢磨社長に注目しています。Cerevoは、革新的な商品を開発するモノづくりのスタートアップ企業ですが、同社を率いる岩佐社長は、IT業界に必要なイノベーションを切り拓いていく人物だと思っていますので、Cerevoの動向もあわせて最も注目している人物の一人といえます。

(聞き手・浅野尚仁)

<プロフィール>(べつい・たかし)
金融業界紙の記者として経験を積んだ後、インプレスでオンライン媒体の「INTERNET Watch」、「ファイナンスプロジェクト」の編集記者をつとめ、その後インターネットマガジン編集部のデスクに就任。2005年1月にはシーネットネットワークスジャパン(現朝日インタラクティブ)に入社し、現在「CNET Japan」編集長。

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