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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):豊田通商、東京海上、郵船、川重

■豊田通商 <8015>  2,831円  +30 円 (+1.1%)  本日終値
 大和証券の総合商社セクターのリポートでは、大手総合商社の純利益は資源価格の下落・低迷や新興国経済減速を反映すると大きな伸びが期待できないと指摘。下期に資源資産など追加減損が計上されれば大幅に下振れするリスクがあるとの見方で、株価再評価には成長戦略見直しや投資リターン改善策など抜本的な経営改革が待たれると解説。高配当利回りは一定の株価下支え要因と評価し、配当維持の経営判断を続けられるかに注目。セクター投資判断は「中立」、個別では豊田通商<8015>をトップピックに設定している。

■東京海上 <8766>  4,586円  +36 円 (+0.8%)  本日終値
 東京海上ホールディングス<8766>は続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は22日、同社株のレーティングを「オーバーウエート」で継続した。ただ目標株価は引き下げた。16年3月期の上期に発生した自然災害に伴う発生保険金の影響を織り込み、今期業績予想を減額修正。これに伴い、目標株価は5520円から5490円に引き下げたが、セクター内での同社株のパフォーマンスは相対的に上位に位置するとみて強気評価を継続している。台風15号に伴う保険金が膨らんだこともあり16年3月期の連結純利益は2538億6000万円から前期比6%減の2326億9000万円(会社予想は2200億円)に見直した。ただ、修正PBRは0.69倍と過去3期の上限値0.82倍を大きく下回り割安感は強いとみている。

■日本郵船 <9101>  293円  +2 円 (+0.7%)  本日終値
 日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手海運株がいずれも堅調。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は前日時点で1ポイント高の475となり、前週末下げ止まる動きをみせている。中国景気減速に伴う海運市況の低迷が株価の重荷となっていたが、足もとはバルチック海運指数を横目に値ごろ感からの買いが先行している。

■川崎重工業 <7012>  450円  +2 円 (+0.5%)  本日終値
 川崎重工業<7012>はしっかり。同社はこの日、米国現地法人のリンカーン工場(ネブラスカ州)で、ボーイング社の最新鋭民間旅客機であるボーイング777X用貨物扉の組立ラインを新設することを発表した。米国での航空機用部品製造は同社初で、17年3月までにリンカーン工場にある既設建屋内の約2800平方メートルのエリアを整備し、同年5月より組立作業を開始する予定。

■日本電産 <6594>  8,558円  +37 円 (+0.4%)  本日終値
 日本電産<6594>が反発。JPモルガン証券では、16年3月期第3四半期利益を大きく押し上げると期待していたハプティックデバイスは、出荷数量・収益性の両面で期待はずれと指摘。それでも、車載ビジネスは2018年~2019年モデルにおいて受注の積み上がりが続いているとの見方で、同社の中期成長力に対する期待に変化はないと解説。目標株価を1万2000円から1万1000円に引き下げているものの、レーティングは「オーバーウエイト」を継続している。

■オークマ <6103>  989円  +2 円 (+0.2%)  本日終値
 足もとの円高にもかかわらず、オークマ<6103>、牧野フライス製作所<6135>、OSG<6136>など工作機械関連株に頑強な動きをみせるものが目立つ。安倍政権では企業の設備投資を後押しする構えにあり、来年度は政策効果に対する期待が大きい。24日、安倍首相が経団連評議会の挨拶で、デフレ脱却に向けてあと一息とし、この流れを加速させるには賃上げと設備投資にかかっているという趣旨の発言をしたことが伝わっている。リーマン・ショック後は、工作機械に対する投資意欲が極端に落ち込み、機械の老朽化が進んでおり、国策を追い風に更新需要が顕在化するとの見方も出ている。海外向けは中国の景気減速懸念などを背景に、夏場から秋口にかけて株価を大きく調整させた銘柄が多いが、「中国では省人化・自動化投資を背景に日本メーカーが生産する工作機械に対する需要は依然として高水準」(国内証券アナリスト)という指摘があり、見直し買いに反映されている。

■ホンダ <7267>  3,885円  +5 円 (+0.1%)  本日終値
 ホンダ<7267>が小反発。22日付で岡三証券がレーティング「強気」継続、目標株価を5000円から5100円へ引き上げた。「HR-V(日本名はヴェゼル)」がアジア新興国に加え、海外先進国でも人気モデルとして定評を獲得。各国・各地域では供給不足の状況が続いており、新型「シビック」も北米でセダンタイプが好発進。追って投入されるクーペ、5ドアハッチバックも一段の増販に寄与すると指摘。今16年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の6850億円(前期実績6706億300万円)に対して、従来予想の8400億円から8230億円へ引き下げているが、来期予想は8910億円から9190億円へ引き上げている。

■アステラス製薬 <4503>  1,685円  +2 円 (+0.1%)  本日終値
 アステラス製薬<4503>が底堅い。野村証券は、前立腺がん治療薬Xtandi、過活動膀胱治療薬米国名Myrbetriqは差異化の高い新薬であり18年3月期までの成長の確度が高いほか、15年5月の中期経営計画で株主還元の向上を目標に掲げており、今後も機動的自社株買いが期待できると考え、目標株価1800円、レーティング「ニュートラル」でカバレッジを再開している。ただ、19年3月期以降は新薬の特許満了が相次ぐため、減収減益を予想している。

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