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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):東電、NTTデータ、花王、浜ゴム

■東京電力 <9501>  756円  +3 円 (+0.4%)  本日終値
 東京電力<9501>が一時12円高の765円に買われたほか、関西電力<9503>、東北電力<9506>など電力セクターが軒並み高、電力卸を主力とするJ-POWER<9513>なども上値を指向している。全体相場は市場参加者が減少傾向にあるところに仕掛け的な売りが入り、買い手控えムードが漂っている。そのなかで「電力株は原油安によるコスト低下メリットが見込まれるほか、足もとの円高もプラス材料。全般手詰まり感の漂うなか、消去法的に個人投資家の物色資金が向かっている」(国内準大手証券)という。個人投資家の短期売買の対象となりやすい東電は、10月下旬に870円台で戻り高値をつけてから2カ月近い調整局面を経ており、信用買い残の整理進捗とともに値ごろ感も意識されている。

■NTTデータ <9613>  6,050円  +10 円 (+0.2%)  本日終値
 NTTデータ<9613>は堅調。同社はこの日、Imtech Traffic & Infra社(ロンドン市)と、16年度に英国エクセター市内で行う実証実験を想定し、同社が保有する交通シミュレーションシステムと、Imtech社が保有する交通管制システムを用いた信号制御による渋滞緩和技術に関する2年間の共同研究を開始したことを発表した。今回の共同研究はエクセター市の協力のもと行うもの。共同研究の1年目では、NTTデータが保有する交通シミュレーションによる広域信号制御最適化技術と、Imtech社が英国内の交通管制の運用ですでに活用している動的信号制御システム「SCOOT(スクート)」を統合することで、より広範囲かつリアルタイムで信号設定を最適化し、渋滞を緩和する技術の開発に取り組む。また、共同研究の2年目には、1年目の成果を基にエクセター市中心部の信号制御を最適化し、渋滞緩和効果を検証する実証実験を行う予定。今後、同社では、実証実験を含めた実績を基に渋滞緩和ソリューションを実用化し、国内および世界各国への展開などを通じて、スマートシティーの実現に向けた取り組みを推進。信号制御最適化ソリューションをベースとしたシステム構築・運用により、20年度末までに100億円の売上創出を目指す。

■花王 <4452>  6,054円  +2 円 (+0.0%)  本日終値
 大和証券の化粧品・トイレタリーセクターのリポートでは、インバウンド需要の基調は依然強く、インバウンド需要も含めた国内事業を中心に各社とも足元業績は好調に推移していると指摘。それでも、2月以降の高ハードルには留意が必要と考え、中長期的には「インバウンド需要だけに頼らない企業」に安心感があると解説。向こう3カ月程度のセクター投資判断は「中立」を継続。注目銘柄として、花王<4452>、ライオン<4912>、ポーラ・オルビスホールディングス<4927>を紹介している。

■横浜ゴム <5101>  1,983円  -161 円 (-7.5%)  本日終値  東証1部 下落率2位
 横浜ゴム<5101>が急反落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が横浜ゴムについてリポートをリリース。レーティングを「オーバーウエイト」から「ニュートラル」へ格下げし、目標株価を2800円から2300円へ引き下げている。新興国市場の低調を主要因に、第3四半期(7~9月)の販売モメンタムは大幅に減速したと指摘。第3四半期決算発表時に下方修正された会社計画も足元の状況を考慮するとハードルが高いとの見解を示している。ただ、同証券は同社に対する15年12月期連結営業利益予想を650億円(前期比10%増)から、540億円(同8.6%減)へ、会社計画550億円(同6.9%減)を若干下回る水準に引き下げているものの、原材料との価格スプレッドは維持されており、業界環境に大きな変化はなく、大幅減益の懸念は不要と解説している。

■東建コーポレーション <1766>  9,020円  -720 円 (-7.4%)  本日終値  東証1部 下落率3位
 東建コーポレーション<1766>が続落。同社は9日の取引終了後、16年4月期第2四半期累計(5~10月)の連結決算を発表。売上高は1351億4600万円(前年同期比7.9%増)、営業利益は59億1800万円(同2.5倍)、純利益は38億8200万円(同2.5倍)と大幅な増益となったが、株価は8日に1万190円の年初来高値を更新していることから、目先的な利益確定売りなどに押されている。建設事業では前期の受注増を背景に完成工事高が拡大。生産性向上に加えて、商品の集約化を図り建築部材の集中購買を行うなどコストダウン効果により、完成工事総利益率が改善している。

■TSIホールディングス <3608>  844円  -53 円 (-5.9%)  本日終値  東証1部 下落率8位
 TSIホールディングス<3608>が大幅に3日続落。8日引け後に発表した11月度の既存店売上高は前年同月比8.0%減と4カ月連続で前年実績を下回ったものの、前日の株価は売り込まれることなく底堅く推移し、小幅安で引けた。ただ、きょうは足もとの売上不振を嫌気した売りがあらためて出ているようだ。SMBC日興証券は同社について、コスト抑制により16年2月期第3四半期営業利益は26億円(前年同期比45%増)と高増益を予想。第4四半期も同様のコスト削減効果ゆえの赤字縮小で、通期営業利益は会社計画線を確保する可能性を予想。「売上大苦戦ゆえの業績懸念の緩和を予想する」としている。レーティングは「1」(アウトパフォーム)を継続し、目標株価は870円から1000円へ引き上げられた。

■メッセージ <2400>  2,284円  -141 円 (-5.8%)  本日終値
 メッセージ<2400>が続落。国内大手証券では、同社施設で入居者の死亡事故、行政処分等が発生して以降、新規入居者獲得が進んでいないと指摘。再発防止策の実施で事故等の影響が一巡、入居者数減少が底入れするには1年程度は必要と見て、16年3月期営業利益予想を73億円から62億8000万円(会社計画は76億円)に引き下げ。レーティングを「バイ」から「ニュートラル」に、目標株価を3600円から2600円に引き下げている。

■キヤノン電子 <7739>  2,017円  -82 円 (-3.9%)  本日終値
 キヤノン電子<7739>がマドを開けて大幅に3日続落。9日引け後に、15年12月期通期の連結業績予想を下方修正しており、嫌気されているようだ。売上高は従来予想の1010億円から900億円(前期比5.7%減)へ、営業利益は111億円から100億円(同13.7%増)へ引き下げられた。中国をはじめとするアジア地域経済は減速基調にある中で、年初に公表した予想数値の達成を見込んでいたものの、十分な環境の回復が見込めず、主として事務機器関連製品の売り上げが想定を下回る見込み。

■三越伊勢丹 <3099>  1,691円  -65 円 (-3.7%)  本日終値
 三越伊勢丹ホールディングス<3099>が続落。国内大手証券では、首都圏基幹店を中心にインバウンド需要は好調持続も、足元で海外や郊外支店の不振が厳しいと指摘。足元業績がこれまでの上振れ期待から下振れ懸念に転換したとして、16年3月期営業利益予想を390億円から365億円に引き下げた。レーティングを「バイ」から「ニュートラル」に、目標株価を2500円から2000円に引き下げている。

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