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【特集】【中国の視点】人民元、SDR組み入れ後も安定推移の見通し


国際通貨基金(IMF)が特別引出権(SDR)構成通貨への人民元組み入れを決定した後、元安の進行がやや強まっている。また、11月末の外貨準備高が前月末から大幅に減少したとの報告を受け、7日のオンショア、オフショア市場では、元の対米ドル為替レートがともに約3カ月ぶりの安値(元安)を記録した。

さらに、7-9月期の中国の成長率が7%の大台を割り込んで6.9%まで低下したため、輸出を促進する目的で中国政府が元安を容認するとの見方も出ている。ほかに、中国人民銀行(中央銀行)が年内に追加の金融緩和に踏み切るとの予測も出ており、元売り圧力が一段と強まる可能性がある。

一部の外国機関投資家は、元の対米ドルレートは現在の1米ドル=6.4元から来年の1米ドル=7.1元まで低下すると予測している。

ただ、中国の専門家は、人民元がSDR構成通貨への組み入れ後も安定的に推移するとの見方を示した。成長モデルの転換に伴い、内需や消費拡大が不可欠であるため、大幅な元安が中国経済にとってマイナスだと指摘した。また、米利上げが実施されても中国との金利差が依然として大きいため、利上げによる急速な元安が考えにくいと分析。ほかに、SDR構成通貨への元組み入れを受け、人民銀が元安方向への誘導など大幅な為替介入が安易にできなくなると強調した。
《ZN》

 提供:フィスコ

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