市場ニュース

戻る
 

【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 市場が待ち望み続けてきた材料

株式アドバイザー 北浜流一郎

「市場が待ち望み続けてきた材料」

●12月米利上げ実施へ地ならしが進む

 これを待っていた。こう言える材料の出現だ。もう1年以上も待ち望んだ材料。それは……もちろん米国の利上げ実施だ。

 今年の内外市場は、その実施時期を巡る観測の交錯に終始してきたと言ってよい。他にもギリシャ債務不履行問題や中国経済の減速と上海市場の急落があった。しかし、これらが一時的に市場に衝撃を与える攪乱要因だったのに対して、米国の利上げ観測は年間を通じて市場の大きな関心事であり続けてきた。

 利上げ時期は当初の今年5月頃との見方から、9月に変わり、そして年内説が浮上したかと思うと、来年3月実施説が説得力を持つようになっていた。しかし、18日明らかになった10月開催のFOMC議事録では、参加した委員たちのほとんどが12月利上げ実施の準備が整いつつあるとの見方で一致していることが明らかになった。

 これまでなら米国市場は、これをマイナス材料と見るところだ。ところが、今回はそうではなかった。市場は受け入れた格好になった。2つの理由が考えられる。

(1)雇用や住宅関係の指標を見る限り米国経済は堅調であり、3月利上げに期待するのはさすがに無理があると自覚した。

(2)委員の発言の中に、12月に利上げを実施した場合、次回の利上げまでには相当な期間を置くとうかがえるものがあった。

●6月高値奪回へ順調に浮上中

 これらはともに東京市場にとっても支援材料になるのは明らかで、今後、日経平均が6月高値の2万0952円をクリアするのに大きく寄与してくれると見てよい。

 もちろん、年初来高値を更新したぐらいで上昇が止まってしまってはさほど意味はない。さらに上がって2万1000円、2万2000円と進んでもらわねばならない。実際もそうなるだろうが、当面の目標値は2万0952円のクリア。いまはそれに向けて順調に浮上中、こう見てよい状況だ。そして、この動きはFRBが実際に利上げ実施を宣言する12月半ば近くまで続くと見ておきたい。

 利上げ実施となると、その後は材料出尽くしで調整。それが終わるとまた浮上。こんな展開を想定しているが、正直1ヵ月ほど先のことなので、残念ながら予測精度は低い。この点、お断りしておきたい。

 さて、こんな状況下、注目したいのはここから日本は年末商戦に入ることから、国内消費者だけでなく外国人来日客の爆買いも期待できるドンキHD <7532> 、マツキヨHD <3088> 、コスモス薬品 <3349> 、雪印メグ <2270> を。寒さに向かうことを考えると、エアコン大手のダイキン <6367> 、そして車載電装部品の需要好調続く黒田電気 <7517> もともに高値ながら押し目狙いで対応したい。

 新興市場銘柄はインヴァスト <8709> [JQ]証券になる。

2015年11月20日 記

●北浜 流一郎(株式アドバイザー)
慶応大学商学部中退後、コピーライター、週刊誌記者、作家業を経て株式アドバイザーへ。マネー誌、証券紙などの株式欄を担当し、ラジオ番組でも活躍。

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均