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2015年10月21日19時30分

【市況】中村潤一の相場スクランブル 「中国リスクは本当に売りか」

株式経済新聞 副編集長  中村潤一

株式経済新聞 副編集長 中村潤一

●水平線の向こうに待つ年末高のシナリオ

 人心が紡ぎ出す欲望や恐怖、これを逆手にとることで、相場ではしばしば大きな利を掌中に収めることができます。

 株価が奔騰している場面や暴落している局面に直接遭遇した方であれば、その時の自らの心理状態を思い起こしてください。急騰急落いずれにおいても、人間の思考は一方向に突き進み、本来正しい方向へと導くべき理性をも押し流してしまうのです。

 言うは易しですが、そういう状況下こそ、敢えて現状から離れた思考や決断力が最強の輝きを放つ瞬間といえます。

 「海のほかに何も見えない時、陸地がないと考えるのは決して優れた探検家ではない」という名言を残したのは哲学者フランシス・ベーコン。相場に勝利する秘訣もまさにこの言葉に鮮やかに表現されています。水平線の向こうに存在する陸を感じ取る“想像力”が投資家にとって非常に大切なツールとなるのです。

 今、マーケットは“中国ネガティブ思考一直線”という感じです。米国の利上げの後ろ倒しについてもFRBが中国景気を理由に挙げたことで、中国リスクはにわかに世界のリスクへとステージが切り上がりました。その余波を最も大きく受けたのが東京市場という構図です。8月下旬からの世界株安連鎖ではTOPIXの下げは先進国市場の中でも際立っています。8月、9月合わせて外国人の売りは実に3兆7350億円強に達し、これが東京市場を襲った高波の正体といえます。

 企業の中間決算発表が来週から本格化しますが、相場はこれに覆いかぶさる中国景気減速のプレッシャーとの戦いです。経済指標の信憑性そのものに疑問符がついている現状、買い方にとって極めて情勢不利に見えますが、ここは水平線の向こうに思いを巡らせる時。売り方の作る相場という概念があります。8~9月の外国人の大量売りが果たして、日本を見切った実需の売りだったのかどうか。仮に積み上がったショートポジションが反転するとすれば、前方に意外なる大陸(上昇相場)が待っている可能性もありそうです。

(隔週水曜日掲載)

株探ニュース

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