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【市況】【北浜流一郎の新興市場展望】


「果報は寝て待つ、ETF投資」

●過熱感なき大復活相場

 東京市場の大復活相場が続いている。東証1部のトヨタ <7203> 、日産自 <7201> 、村田製 <6981> など自動車やハイテク主力株を中心に高値を追い続け、高値警戒感が日々高まっているほどだ。

 市場全体が高くなったからといって暴落が起きるものではないものの、「反落近し」の声を聞くようになっているのも確かだ。

 しかし、私にいわせると、目先多少の波乱はあっても急激、且つ大幅な下落は考えられない。その根拠として挙げられるのは、過熱感がほとんどないからだ。

 暴落する前には、大抵過熱感があるものだ。ところが、東証1部の出来高は多い時でやっと20億株を越える程度だ。これは閑散とまではいえないものの、過熱とはほど遠い量になる。

 どうしてこんなことになっているのか。買いの主体が外国人投資家と証券会社の自己売買部門、そして信用取引の空売りの買い戻し。これらになるからで、個人投資家は買うより売っているのが実際だからだ。

 過去、暴落は常に個人投資家が一斉に参入してきたところで起きている。外国人投資家や年金の買いなどで上昇している場合、彼らは一斉に売るようなことはしないので、暴落が起きにくいのだ。

 このような状況で、新興市場も総じて堅調だ。ただ、マザーズが引き続き低迷から脱し切れていないし、J-REITも買いの勢いが鈍って、このところようやく回復の兆しを見せたところだ。

 しかし、ジャスダックやETF、そして2部市場も東証1部に負けない堅調展開となっている。特にETF市場は活況で、東証1部の出来高が膨らまない一つの要因に、日経平均やTOPIX、さらにはJPX日経400などのETF買いがある。

 機関投資家にとって、個別の銘柄へ投資するよりこれらに投資した方が安全度が高く、収益も上がりやすいからだ。

●特殊技術に強い収益好調銘柄に注目

 このため、特に人気が高いのはJPX日経400のETFだ。日本を代表する企業群400銘柄の株価がセットになっているのだから、資金の多い年金や投資信託などにとってこれは理想的なポートフォリオとなるため、現在だけでなく、今後も引き続き積極投資の対象になると見てよい。

 正直、私が年金などの運用者だとしたら、このETFに投資してあとは寝ているだろう。それくらい価値のある金融商品になる。

 ただ、個人的な好みをいわせてもらうなら、ETFでもっとも魅力的と見るのは日経ブル2 <1579> [東証E]だ。日経平均の倍速で動くので、指数が上昇する相場では非常に魅力的だ。

 しかし、買いが難しい。株価が下げている時に投資した方がよいからだ。上がっている時に投資すると高値掴みになり、倍速で下げてしまうことになりかねない。こんなリスクがあることを承知した上で、株価が下げたところで投資しておく。その後は間もなくして笑顔になれるのだ。

 新興市場にはこんな銘柄もあるのであり、なんだETFか、などといっていないで、上昇して儲かる可能性が高い銘柄なら、積極的に投資するようにしたい。

 それに花を添える役割をしてくれるのが個別銘柄であり、ジャスダックと東証2部で着実高となっている銘柄が多い。

 それらに特徴的なのは、オーソドックスな理由ながら、やはり収益の好調だ。特に特殊技術に強い会社の株は強く、先高の確率も高いと見てよい状況だ。

 具体的には次のような銘柄がある。

 まずは減速機器に強いハーモニック <6324> [JQ]。週末上昇したため押しを待ちたい。

 血栓の治療などに使われるガードワイヤに強い朝日インテク <7747> [東証2]も株価が高値で足踏み中のところを拾っておきたい。

 そして、時々取り上げる中古厨房機器リサイクル首位のテンポス <2751> [JQ]だ。そのほか、アルミホイールに強いウェッズ <7551> [JQ]も魅力的だ。

2015年3月20日 記
(月刊「チャートブック新興+2部」No.235より転載 )
(「株探」編集部)

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