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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:米CPI、米PPI、ECBが政策金利発表

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

■株式相場見通し

予想レンジ:上限39700円-下限38500円


今週末は、台湾や中国市場が休場だったことで、米国株安の影響を東京市場が一手に受けたために下げ幅がきつくなったとの声もあるため、来週はまずは反発スタートとなろう。一方、今週末の日経平均は25日移動平均線を大きく下回った。3月中旬もこの水準を割り込む場面はあったが、今回は今年初めて下向きに転じた25日移動平均線を割り込んでいることから状況がやや異なる。まだ日経平均が3月安値の38271.38円(3月12日)より上で推移している状況なので、さほど悲観する必要はないとの見方はあるが、5日移動平均線も25日移動平均線を明確に割り込んだことも考慮すると、年始から続いていた強いトレンドは短期的には弱まったと考える。週足では、右肩上がりの13週移動平均線が38191.55円で位置していることから、中期的には強いトレンドは継続と考えるが、今後、プライム市場の売買代金が4兆円を割り込むなど商いが細るような展開となれば調整局面は継続しそうだ。


来週は、ニュージーランド準備銀行や欧州中央銀行(ECB)などの金融政策決定会合の開催が予定されている。ECBは早ければ6月にも利下げを実施する可能性が高まっていたが、足元の原油価格上昇などエネルギー価格の上昇が影響して、利下げ実施のタイミングが後ずれするとの見方もある。日銀金融政策決定会合は4月25-26日、米連邦公開市場委員会(FOMC)は4月30日-5月1日に開催される。ECB理事会後、2週間ほど時間が空くうえ、各中央銀行は独自の声明及び見解を出すことで参考にならないかもしれないが、インフレ見通しと利下げのタイミング等に関して、ECB理事会がどのような声明を出すか注目だ。足元、政府・日銀による円買い介入への警戒感が強いことから、インフレ見通しの長期化や利下げ時期の後ずれ等が発表されれば、米連邦準備制度理事会(FRB)も同様の見解をするとの思惑から、日米金利差の拡大期待に着目した投機筋による円売りドル買いなども再開する可能性がある。為替の乱高下は、株式市場にネガティブな要因となる傾向が多いので注意が必要だ。


■為替市場見通し


来週のドル・円は底堅い値動きか。ドル高円安が加速した場合、日本政府による為替介入が実施される可能性はあるものの、日本銀行は金融正常化を早急に進めることには消極的とみられ、リスク回避的な米ドル売り・円買いが急拡大する可能性は低いとみられる。米連邦準備制度理事会(FRB)は金融緩和を早急に進める意向は特にないことから、ドル高・円安の流れは続くと予想される。


一方、ハマス・イスラエル紛争にイランの介入が警戒され、中東情勢の混迷を背景に原油価格は上昇。原油高は日本の貿易収支を悪化させ、ドル買い材料となる。また、エネルギー価格の上昇を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)は引き締め的な政策スタンスを緩めていない。6月から年3回の利下げ予想は今後修正される可能性もあり、当面は米金利高・ドル高の状況が続くとみられる。


■来週の注目スケジュール

4月8日(月):毎月勤労統計-現金給与総額(2月)、実質賃金総額(2月)、独・鉱工業生産(2月)、米・ミネアポリス連銀総裁がタウンホール会議に参加、など

4月9日(火):消費者態度指数(3月)、工作機械受注(3月)、米・イエレン財務長官の訪中最終日、など

4月10日(水):国内企業物価指数(3月)、植田日銀総裁が信託大会であいさつ、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、米・消費者物価コア指数(3月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3月19日-20日会合分)、日米首脳会談、米・シカゴ連銀総裁がパネル討論会に参加、など

4月11日(木):ファストリ決算、中・生産者物価指数(3月)、中・消費者物価指数(3月)、欧・欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表、ラガルド総裁が記者会見、米・生産者物価コア指数(3月)、米・岸田首相が議会で演説、石油輸出国機構(OPEC)月報、など

4月12日(金):鉱工業生産(2月)、設備稼働率(2月)、独・CPI(3月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(4月)、中・貿易収支(3月)、JPモルガン・シティグループ・ブラックロック決算、など

《CN》

 提供:フィスコ

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