「風適法改正」でゲーセンに“商機”、関連企業はどう動く? <株探トップ特集>
―16歳未満の18時以降入場制限が緩和、利用者増に期待―
「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風適法)」の改正により6月23日からアミューズメント施設への年少者入場制限が緩和された。これにより、保護者同伴ならば16歳未満でも18時以降のアミューズメント施設への入場が許可されたことから、アミューズメント施設を展開する関連企業には新たなビジネスチャンス到来が期待される。
●6月23日からアミューズメント施設への年少者入場制限が緩和
アミューズメント施設は1985年2月13日の風適法改正以降約31年間、16歳未満の18時以降の入場が制限されており、保護者同伴でも入場が許可されていなかった。しかし近年、大規模小売店舗立地法の施行などにより、大型のショッピングモール内に併設される施設が増加、これに伴い家族連れの顧客層が増加するなかで、風適法による入場制限が大きな障害となっていた。
都道府県ごとで入場可能時間は異なるが、今回の風適法の改正により宮城県や埼玉県、神奈川県、沖縄県では20時まで、北海道や東京都、愛知県、大阪府など多くの大都市圏では保護者同伴なら22時までの入場が可能になった。入場制限の緩和が顧客に浸透すれば、「家族連れでより気軽に遊べる施設」としてアミューズメント施設のイメージが向上、運営企業側もより柔軟に店舗運営と新規出店が可能になり、市場規模の拡大が期待できそうだ。
●アドアーズではスタンプカードやファミリー向け特別パックの販売を開始
今回の入場制限緩和を受けてアミューズメント施設を運営する企業も新たな取り組みに動き始めている。首都圏を中心に展開するアドアーズ <4712> [JQ]は風適法の対象店舗となる全ゲーム店舗(46店舗)で入場制限緩和に合わせた集客施策を開始。家族での来店で受けられるスタンプカードやメダルゲーム設置店舗では、ファミリー向け特別パックの販売を開始するなど各種サービスの実施を行っている。「土・日の集客は緩和前に比べておおよそ5%程度増加し、一定の感触を得ている」(経営企画部IR・広報担当)とし今後、入場制限緩和が顧客に浸透することでさらなる集客増を見込んでいる。
●スクエニ傘下のタイトーもキャンペーンを実施
スクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> 傘下のタイトーは全国のタイトーアミューズメント施設で、風適法改正記念としてキャンペーンを実施。キャンペーン期間中に17時から最大22時まで来店した家族連れの子供一人につき1日1枚シールをプレゼント。シールを集めて応募すると抽選でプレゼントが当たるキャンペーンを実施し、「入場制限緩和による効果が今後表面化してくる」(タイトー広報担当)としている。
●ラウンドワンでは完全オリジナルメダルゲームを導入
ボウリングを中核にゲームやカラオケ、時間制スポーツを全国で展開するラウンドワン <4680> も多くの店舗で22時までの保護者同伴での入場制限緩和を23日から実施した。同社では入会無料の新メダル会員システムを導入、6月からは同社だけの完全オリジナルメダルゲームを導入し、クレーンゲームでは初心者へのスタッフによるアドバイスを実施するなど独自のサービスを積極的に導入している。入場制限緩和波及効果でボウリングを含めて家族連れでの利用者増が期待される。
●セガやナムコも入場制限緩和をPR
セガサミーホールディングス <6460> 傘下のセガが運営するアミューズメント施設の入場制限も岩手や茨城、栃木、鳥取を除く全国の店舗で保護者同伴での入場制限緩和を実施、改正前の22日まで、17時以降に来店した子供連れの保護者の顧客にチラシを配布。このチラシは、23日以降に使用できるクーポンとなっており、持参するとUFOキャッチャー(クレーンゲーム)が1回無料になる。券面には、23日以降に保護者同伴で来店の場合に、18時以降も入場できることが記載されている。「現状では、データなど開示できる資料はないが、現場の感覚として、ショッピングセンター内にある店舗では、お子さま連れのお客さまで長く滞在される方が増えたという印象がある」(セガホールディングス社長室広報部)としている。
またバンダイナムコホールディングス <7832> 傘下のナムコも保護者同伴での入場制限緩和を行っており、夕食の後も家族で遊べることをPRしている。
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