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9749 富士ソフト

東証P
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前日比
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単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.4 3.12 1.37 2.49
時価総額 4,138億円
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決算発表予定日

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サイバーコム Research Memo(1):得意分野の確立と自社プロダクトの育成に取り組む


■要約

1.社長インタビュー
サイバーコム<3852>は2023年3月24日付で、取締役副社長の新井 世東(あらい せと)氏が代表取締役社長に就任した。今回、新社長に今後の経営方針などについてインタビューする機会を得たので、その内容を以下に紹介する。

Q.新社長の経歴について簡単にご紹介ださい。
A.2002年に富士ソフトエービーシ(現 富士ソフト)<9749>に35歳でエンジニアとして入社し、その後、開発現場と営業を1年ごとに経験し、事業部長を経て2013年に執行役員に就任、2022年3月にサイバーコムの取締役副社長に就任するまで、富士ソフトでプライムビジネス(最終顧客からの直接受注案件)の事業責任者としてその育成に取り組んできた。入社当時は富士ソフトの売上高の約8割が二次請け案件で占められおり、プライムビジネスの育成を現在社長の坂下氏の方針に沿って取り組み、会社を離れるまでにプライムビジネスの事業規模も相当程度まで拡大することができたと思う。プライムビジネスの営業部隊も組織化した当初は少数でスタートしたが、2021年には100名を超える体制になった。プライムビジネスとしての初受注は、パッケージソフトと社内の情報システムを連携させるブリッジ開発案件で某文具メーカーから数百万円で受注したが、チーム全体で感激したことを今でも覚えている。大きいビジネスとして記憶に残っているのは、官公庁向けのクラウドシステム導入案件で、官公庁のクラウドシステム導入を富士ソフトで初めて手掛けたことだ。受注規模は全体で5億円規模のビジネスになったと思う。

Q.サイバーコムの副社長として約1年社内を俯瞰してこられたなかで、サイバーコムの強み、課題についてどのように感じられているのか教えてください。
A.強みとしては、優秀なシステムエンジニアを多く抱えている点が挙げられる。富士ソフトグループのなかでも開発力に関してはトップクラスではないかと評価している。優秀な人材を多く抱えていることは、将来の成長ポテンシャルがあるということでもあり、こうした優秀な技術者がプロジェクトマネージャーとして育ち、さらに会社の成長を担っていくものと期待している。一方で課題としては幅広いプライムメーカーや業界のプロジェクトに携わっていることから、オールラウンドプレーヤーと言うこともできるが、〇〇の開発ならサイバーコムというようにもう少し特色や強みを際立たせていくことも重要ではないかと考えている。また、人材を多く抱えてはいるものの、ここ数年は需要に対処しきれず慢性的に人材不足が続いている状況は変わらないので、パートナー企業を拡充していくことも課題の一つであり、ニアショア、オフショア問わず検討している。自社プロダクトをいくつか出しているが、まだ収益柱の1つと言えるほどの規模にまで育成しきれておらず今後の課題と言える。

Q.ソフトウェア開発事業、サービス事業で今後特に伸ばしたい分野やサービスなどあれば教えてください。
A.ソフトウェア開発事業では、CASEや自動運転など開発需要が旺盛な自動車分野やロボット分野など先端技術が必要とされる分野のほか、DX需要が旺盛でプライム案件の実績が増え始めている金融業界向けにも注力していきたい。サービス事業では、AWSやMicrosoft Azureなど大手プラットフォームの技術認定資格取得者の育成を図り、クラウドシステムの構築案件を伸ばしていくほか、SaaSベンダーとアライアンスを組み、導入支援サービスを展開していくことも考えている。また、自社プロダクトについては「Cyber Position Navi」シリーズの育成に注力していきたい。現在は主に工場や物流倉庫向けに導入提案を行っているが、10~50cmの高精度で人やモノの位置を把握することが可能で、収集したデータで動線解析を行い作業員や車両の移動ルートを最適化することが可能となる。導入実績はまだ数件にとどまっているが、POC(実証テスト)を進めているお客様もあり、引き合いも好調であることから期待は大きい。また、収集したデータを活用してAI分析など新たな付加価値サービスを提供できる可能性もあり、こうした領域でノウハウを持つ企業とアライアンスを組みながら、ビジネスをさらに大きくできればと考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YI》

 提供:フィスコ

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