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9029 ヒガシトゥエンティワン

東証S
1,277円
前日比
+5
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.6 1.43 2.66
時価総額 169億円
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決算発表予定日

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ヒガシ21 Research Memo(1):高付加価値サービスや首都圏ビジネスを拡大する総合物流企業


■要約

ヒガシトゥエンティワン<9029>は、関西を発祥として首都圏にも展開する総合物流企業である。スローガンに「Evolution for Customers-全進で未来へ“シンカ”」を掲げ、M&Aも活用した事業強化・拡大や新規事業領域への積極的な投資を行うことにより、成長を目指している。

1. 顧客ニーズに対応した物流設計力や大手優良顧客の安定収益基盤が特長・強み
個々の顧客ニーズに対応した物流設計力を強みとして、運送事業や倉庫事業を中心に様々な物流サービスを提供している。発祥の地である関西圏では高い知名度を誇り、幅広い分野の大手優良顧客層を安定収益基盤としていることも特長だ。オフィス移転・レイアウト変更等でソリューションを提供するオフィスサービス事業、最適なサプライチェーン構築を提供する3PL(Third Party Logistics)事業、ビル内デリバリー等で快適なオフィス運営をサポートするビルデリバリー事業等、マーケット競争力の高い事業を有し、M&Aも積極活用しながら業容を拡大している。

2. 2023年3月期は計画を上回る大幅増収増益で過去最高業績
2023年3月期の連結業績は、売上高が2022年3月期比24.5%増の34,807百万円、営業利益が同29.3%増の1,908百万円、経常利益が同21.3%増の2,026百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同13.2%増の1,268百万円だった。前回予想(2022年10月28日付の上方修正値)を上回る大幅増収増益で過去最高業績だった。売上面では、2021年10月に開始した関西電力資材調達3PL事業が通年化したこと、オフィスサービス事業が大型案件も寄与して拡大したこと、大手e-コマース会社向け売上が拡大したこと、山神運輸工業(株)(神奈川県横浜市)を期首より新規連結したこと、第3四半期より(株)旅人(東京都千代田区)を新規連結したことなど、中期経営計画達成に向けた重点事業の順調な拡大やM&A効果によって大幅増収だった。利益面では、事業成長に向けた人材投資に伴う費用等の増加に加えて、2023年4月の大型3PLセンター開設(3センター・4拠点の開設)に向けた初期投資が発生したが、大幅増収効果や業務効率改善効果などで吸収し、大幅な増益を確保した。

3. 2024年3月期増収増益予想、会社予想は保守的で上振れの可能性が高い
2024年3月期の連結業績予想は、売上高が2023年3月期比3.4%増の36,000百万円、営業利益が同4.8%増の2,000百万円、経常利益が同3.6%増の2,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.1%増の1,320百万円としている。積極的な業容拡大戦略で増収増益予想としている。なお上期については増収だが、大型3PLセンター開設に係る初期投資負担などを考慮して各利益は減益予想としている。通期ベースでは、オフィスサービス事業における前期の大型案件の反動減、大型3PLセンター開設に係る初期投資負担、子会社化した旅人に係るのれん償却、さらに成長に向けた継続的な人材投資による費用増加などの影響があるが、増収効果や業務効率化等による既存事業の利益率改善進展に加え、前期に発生した(株)イシカワコーポレーションの倉庫集約費用の剥落なども寄与して増益予想としている。会社予想は小幅増収増益にとどまるとしているが、全体として事業展望に比して保守的な印象が強く、弊社では上振れの可能性が高いと見ている。

4. 新「中期経営計画2026」で2026年3月期経常利益25億円を目指す
前「中期経営計画2023」の目標数値(2022年5月に上方修正、売上は2022年10月に再度上方修正)については2023年3月期におおむね達成した。2023年5月に策定した新「中期経営計画2026」では、2024年3月期~2026年3月期を「成長の礎を糧に飛躍する3年」と位置付けて、グループパーパス「安心をずっと、驚きをもっと。人と技術とITで、新たな価値を創造し、豊かな明日へつなぎます。」を制定した。サービス提供価値の向上やITサービス事業のさらなる強化などによって事業成長を図るほか、サステナビリティ経営(ESG経営)も推進する方針だ。経営目標数値には、最終年度2026年3月期の売上高420億円、経常利益25億円、1株当たり配当金36円00銭、ROE8%以上、配当性向30%以上、従業員数1,600名を掲げている。事業環境の不透明感や成長投資などを考慮して利益の伸びがやや小幅にとどまる形となっているが、前「中期経営計画2023」同様に堅実な事業計画・見通しとしているために新「中期経営計画2026」も計画超過達成の可能性が高く、M&Aも活用した積極的な事業展開で中長期成長ポテンシャルは大きいと弊社では評価している。

■Key Points
・関西を発祥として首都圏にも展開する総合物流企業
・オフィスサービス事業、3PL事業、ビルデリバリー事業を重点事業領域と位置付けて業容拡大
・2023年3月期は計画を上回る大幅増収増益で過去最高業績
・2024年3月期増収増益予想、会社予想は保守的で上振れの可能性が高い
・新「中期経営計画2026」で2026年3月期経常利益25億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SI》

 提供:フィスコ

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