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7823 アートネイチャー

東証S
756円
前日比
-1
-0.13%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
21.2 0.91 3.70 6.31
時価総額 260億円
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ツツミ
決算発表予定日

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アートネイチャ Research Memo(4):「反響営業」で新規顧客を獲得、「リピート営業」で顧客を定着


■事業概要

2. ビジネスモデル
アートネイチャー<7823>のビジネスモデルには、フィリピンの自社工場、全国の店舗ネットワーク、専門的な技術を持つ理・美容師資格保有者を軸に、「反響営業」と「リピート営業」によって販売効果をあげるという特長がある。また、同社のビジネスモデルは、顧客の信頼が必要とされるため、情報管理には細心の注意を払っている。

以下は、売上の大半を占めるアートネイチャー事業およびジュリア・オージェ事業を中心に説明する。

(1) 製造体制と店舗ネットワーク
毛髪市場におけるトップポジションを支えているのが、50年以上にわたる高品質な物づくり体制、全国をカバーする店舗ネットワーク、専門的な技術を持つ理・美容師資格保有者という同社の組織体制である。同社商品の特長は、生え際やつむじ、前髪、自然なボリュームなど細部へのこだわり、自然さと機能性を兼ね備えた人工毛や地肌の色が透けて見えるほどの極薄な高機能素材といった高品質性にある。特に主力のオーダーメイドウィッグに関しては、企画・開発から製造、販売までグループ内で完結するSPA(製造小売業)の製販形態をとっている。製造拠点はフィリピンに子会社工場を2拠点有しており、これにより高品質と安定供給の確保及びコスト低減などを可能とし、顧客ニーズに沿った新商品を春と秋にコンスタントに投入し続けることができる。ちなみに、既製品ウィッグも中国やベトナムなどの協力工場と密に連携して製造している。こうした高品質のオーダーメイドウィッグを提供する場が、最高の環境と最良のサービスを兼ね備えた、全都道府県を網羅した店舗ネットワークである。くつろぎと安らぎにこだわった店内は、顧客のプライバシーに配慮して個室タイプになっており、従業員の8割にあたる約1,800名の理・美容師資格保有者が、契約した商品の納品からアフターサービスまでを徹底的にサポートしている。販売拠点は全国をカバーする「アートネイチャー」店舗を47都道府県に277店舗(2022年3月末現在)有し、ほかに既成品ウィッグの「ジュリア・オージェ」87店舗(2022年3月末現在)、海外4ヶ国などとなっている。

(2) 反響営業とリピート営業
前述した高品質な物づくり体制、店舗ネットワーク、専門的な技術を持つ理・美容師資格保有者という同社の組織体制をスムーズに回し、収益向上や成長につなげる仕組みが「反響営業」と「リピート営業」であり、同社ビジネスモデルの根幹をなす。まず、髪にまつわる様々な課題を抱えている人やウィッグでおしゃれを楽しみたい人などをターゲットに、テレビや新聞、インターネットなどターゲットそれぞれに対して強みを持つ広告媒体を使い分けて訴求する。その結果、同社商品・サービスに関心を持ち、電話やメール、来店などでコンタクトしてきた人を新規顧客として導入していく。これを「反響営業」という。さらに、全国の店舗で充実したアフターサービスの提供や顧客のニーズに合わせた様々な提案を行うことで、新規顧客との間に信頼関係を築き、お客様のリピート契約につなげていく。これを「リピート営業」という。なお、「反響営業」をより有効に機能させるため、コンタクトセンター電話受付用「AI自動応答システム」などといった最新技術を積極的に取り入れている。

(3) 顧客管理システムと情報セキュリティ
同社のビジネスモデルをより有効に機能させるため、2005年以来顧客管理手法の高度化に取り組んできた。現在では顧客管理システムによって、潜在顧客からの資料請求や既存顧客への商品提供、顧客ごとのサービス・施術の履歴などを一元管理しており、これにより顧客一人ひとりのニーズに最適な商品提案が可能となった。ただし、同社の顧客は髪に関する悩みを有する一般個人であり、その情報は重要情報となる。このため管理に細心の注意を払うとともに、個人情報管理体制を強化することで顧客の信頼をより高めている。同社は、「個人情報保護マネジメントシステム-要求事項(JIS Q 15001)」に準拠した個人情報保護マネジメントシステムを策定し、(一財)日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)のプライバシーマークを取得して定期的に更新している。また、顧客情報に関するデータについては顧客管理システムで電子化して集中管理するなど、管理体制の強化に万全を期している。顧客情報を外部に委託するに当たっては、「個人情報保護マネジメントシステム-要求事項(JIS Q 15001)」により、業務委託先における個人情報管理体制が同社の定める個人情報保護基準を充足していることを事前に確認したうえで、秘密保持に関する契約書を取り交わしている。加えて、同社担当者による訪問調査や委託先の定期的な見直しも行っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《NS》

 提供:フィスコ

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